小大君集・具引唐紙（獅子唐草）薄紅黄土色-三十六人集-

　三十六人集（西本願寺本）
　小大君集　具引唐紙『獅子唐草』（清書用臨書用紙）　
こだいのきみ
小大君の家集で冒頭にある「忘れぬ限りをだにと思へど、はかばかしうも覚えず。ひと事を云うやふなりとくやり、正月一日のことなるべし。」の詞書から自選の歌と推察される。ほぼ全ての歌に詞書が付けられており、一つ一つ思い出しながら書いたものか、詠作事情が窺われる。ただ残念なことに、時季は書かれているが、年代は明記されていない。殆どが贈答歌で、其の交友関係を垣間見る事が出来る。完存しており料紙は十二枚で、全て具引唐紙。唐草柄は3種類で全て表面のみに白雲母又は黄雲母で刷られており、裏面には唐草柄は無いが、花鳥折枝は両面に描かれている。（全料紙組順へ）


第十二紙・第十一紙具引染・切継	第十一紙獅子唐草	第七紙菱唐草	第五紙丸唐草	第三紙獅子唐草	第一紙獅子唐草

具引唐紙　『獅子唐草（繋丸紋獅子唐草）』　薄紅黄土色

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こおほぎみしゅう　　　　　　　　　　　　　　　　　　．小大君集・具引唐紙　『獅子唐草（繋丸紋獅子唐草）』（半懐紙）料紙の花鳥折枝金銀袷型打は実物とは異なります。他の部分の物を応用した代用品です。	薄紅黄土色

小大君集・具引唐紙　『獅子唐草（繋丸紋獅子唐草）』中央やや上側部分、花鳥折枝部分の拡大です。実物裏面は具引染のみで唐草柄は有りません。花鳥折枝は同様に施されてます。	臨書用紙は表面のみの加工てす。

小大君集・具引唐紙　『獅子唐草（繋丸紋獅子唐草）』右下側部分、影部分での花鳥折枝部分の拡大です。実物裏面は具引染のみで唐草柄は有りません。花鳥折枝は同様に施されてます。	臨書用紙は表面のみの加工てす。

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こおほぎみしゅう
小大君集・具引唐紙（獅子唐草）薄紅黄土色　書手本　縦6寸7分、横1尺5分5厘　第十一紙
裏面は具引染紙に唐草柄無しの花鳥折枝金銀泥描きです。

歌番号は小大君集での通し番号　　　　　　　　　　　　　　　　　青色文字は使用字母

　　　（いとかからでも、とぞありし。
　　　七夕の朝に東宮にて東に帯刀陣
　　　あり、かたにひきたるいどにくものすを
　　　かきければ、ゆきよりにここにかへしがへし）
　　　となんおとりたてる、とおほせられ
　　　しかば、
８4
　ささがにのもろてにいそぐたなばたの、
　くもの衣はかぜやたつらむ

　　　とありしを、さねかたの君にひとのか
　　　たりたまふめりしかは、たちながら、

８5
　ひこぼしのくべきよひとやささがにの、
　くものいがきはかねてみゆらん

　　　となむ、むかしこの大納言の少尉許
　　　におはせしほど女御たちの御方
　　　に七夕まつりしたるかたかきて
　　　物いはむとありしかはすのもとに
　　　て、なにかといひておはしにけるを
　　　それよりいりたりけり人の
　　　ききたまひけりとて、あしたに
　　　よろづのちかごとをふみにかき
　　　　　　　　　　　　　　　　　て、
　　（人にみせよとおぼしくて
　　　ありなにことをいふべきぞは）

　　（以止可々良天毛、止曾安利之。
　　七夕乃朝爾東宮爾天東爾帯刀陣
　　安利加多爾悲支太留以止爾久毛乃寸遠
　　可支个礼盤由支與利爾己々爾可部之～）
　　止奈无於止利太天留、止於保世良礼
　　之可波、

８4
　佐々可爾乃毛呂天仁以所久多奈者多乃、
　久毛乃衣者可世也多川良武

　　止安利之遠、左禰可多乃君爾悲止乃可
　　太利多末不女利之可者、多知奈可良

８5
　悲己保之乃久部支與比止也左々加爾乃、
　久毛乃以可支波可年天三由良无

　　　止奈无、々可之己乃大納言乃少尉許
　　　爾於者世之保止女御多知乃御方
　　　仁七夕末川利之太留可多可支天
　　　物以者武止安利之可波春乃毛止爾
　　　天、奈爾可止以比天於者之爾个留遠
　　　楚礼與利以利太利希利人農
　　　幾々太末比計利止天、安之多爾
　　　與呂徒乃知可己止遠布美爾可支
　　　　　　　　　　　　　　　　　天、
　　　　　〟〟〟
　　（人爾與末世美世與止於保之久天
　　　安利奈爾己止遠以不部支曾盤）

「與」は「与」とすることも。
「爾」は「尓」とすることも。
「个」は「介」とすることも。
「禰」は「祢」とすることも。
「礼」は「禮」とすることも。
（　）黄文字は前項及び次項にあり。

たいとうのじん
帯刀陣；腰に刀を差した兵士の隊伍を整えた詰所。

８4
両方の手で急ぎ支度する七夕の朝に、織女（細蟹姫）の衣（に見立てた雲）が勢いよく翻っている様なのですが（遠くの方で）風でも吹き始めているのでしょうか。

ささがに
細蟹；蜘蛛。蜘蛛の巣。蜘蛛の糸。などのこと。その形が小さな蟹に似ているからと言われる。

細蟹の；枕詞。「くも」、「いと」、「いかに」、「いのち」、「いづく」などにかかる。

めり；「見あり」を語源とし、その様に見えている様子を表す。…らしい。

８5
彦星の来るはずの宵であると云うことだが、（天の川に掛る）雲の斎垣は前々から目に映っておりましたよ。
「細蟹の」は枕詞でありながら、「細蟹姫（織姫）」の事をもかけている。

いがき
斎垣；神聖な領域にめぐらす垣。みだりに超えてはならないものとされていた。。

だいなごん
大納言；律令制で、公卿の一員として国政を審議し宣旨を伝達することを司った高官。太政官の次官で右大臣に次ぐ。

お　は
御座す；動詞「あり」の尊敬語。いらっしゃる。おありになられる。おられる。

御座す；尊敬の補助動詞。活用語の連用形、又その後に続く助詞「て」に付いて尊敬の意を表す。…ておありになる。…ていらっしゃる。

給ふ；「見る」「聞く」「思う」などの動詞に付けて用いる謙譲語。お伺いする。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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右上部分拡大　小大君集　第十一紙　具引唐紙『獅子唐草』
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右下部分拡大　小大君集　第十一紙　具引唐紙『獅子唐草』
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左下部分拡大　小大君集　第十一紙　具引唐紙『獅子唐草』

小大君；平安中期の歌人で、三十六歌仙の一人。京都三条の北にあった藤原定輔の邸宅で、三条天皇の里内裏である三条院が東宮の時の女蔵人で、三条院女蔵人左近ともいう。一般的には内侍や命婦の下で雑役に当たる下級の女官であるが、それでも歌仙に選ばれているのは詠歌の才があったためか。

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第十二紙・第十一紙具引染・切継	第十一紙獅子唐草	第七紙菱唐草	第五紙丸唐草	第三紙獅子唐草	第一紙獅子唐草

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こおほぎみしゅう　　　　　　　　　　　　　　　　　　．小大君集・具引唐紙　『獅子唐草（繋丸紋獅子唐草）』（半懐紙）料紙の花鳥折枝金銀袷型打は実物とは異なります。他の部分の物を応用した代用品です。	薄紅黄土色

小大君集・具引唐紙　『獅子唐草（繋丸紋獅子唐草）』中央やや上側部分、花鳥折枝部分の拡大です。実物裏面は具引染のみで唐草柄は有りません。花鳥折枝は同様に施されてます。	臨書用紙は表面のみの加工てす。

小大君集・具引唐紙　『獅子唐草（繋丸紋獅子唐草）』右下側部分、影部分での花鳥折枝部分の拡大です。実物裏面は具引染のみで唐草柄は有りません。花鳥折枝は同様に施されてます。	臨書用紙は表面のみの加工てす。