大字朗詠集切(大字和漢朗詠集切)和漢朗詠集 巻上 氷  戻る 大字朗詠集切 一覧へ
    本鳥の子紙(薄茶色)5寸5分×8寸2分
字粒が他の和漢朗詠集の物よりも大きく書かれており、字間・行間も大らかである。表面は高野切同様の加工で染の雲母振りだが、振ってある量はかなり多い。
料紙は雲母振りの染紙。


薄茶色(素色)

『大字朗詠』 大字和漢朗詠集切 断簡 
16.6cmx25.2cm
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。



         漢詩・かな                                
水色文字は使用時母


    氷 
付春氷
384
  氷封
水面聞無浪、雪點林頭

  有花 


385
  霜妨鶴唳寒無露、水結狐疑

  薄有氷 
相如


   


   氷 付春氷

 氷水面に封じて聞くに浪無し、
   
りんとう
 雪林頭に點じて見るに花有り。
菅原道真


   
かくれい
 霜鶴唳を妨げて寒うして露無し、
   
  
 水狐疑を結んで薄くして氷有り。
高丘相如

















漢字の意味の通じるものは漢字で表記
一行は一行に、繰返しは仮名で表記

てん
點じて;通常は「点じて」の意味で使う漢字だが、ここでは「転じて」としての意味で使われている。

かくれい  
鶴唳;鶴の鳴く声。鶴の鳴く様子。

 こ ぎ
狐疑;
古来狐の行動の観察するところより、事に挑む際疑いためらうこと。



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