大字朗詠集切(大字和漢朗詠集切)和漢朗詠集 巻下 文詞  戻る 大字朗詠集切 一覧へ
    本鳥の子紙(薄茶色)5寸5分×8寸2分
字粒が他の和漢朗詠集の物よりも大きく書かれており、字間・行間も大らかである。表面は高野切同様の加工で染の砂子振り。
料紙は砂子振りの染紙。


薄茶色

『大字朗詠』 大字和漢朗詠集切 断簡 
12.9cmx25.2cm
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。



         漢詩・かな                                
水色文字は使用時母


    文詞 
付遣文

470
 沈詞怫悦若
遊魚銜釣出重淵

 之底、浮藻聯翩若
翰鳥纓繳墜

 曾雲之峻。 
文賦


   


     ぶんし  ふ いぶん
 
   文詞 
付遺文

 
ちん  ふつえつ         ふく   ちょうえん
 沈詞怫悦、遊魚の釣を銜んで重淵の底より
 
いづ      ふそう れんへん  かんてう   あみ  かか
 出るごとし、浮藻聯翩、翰鳥の網に纓りて
     
さか    おつ
 曾雲の峻しきより墜るがごとし。
 文賦 (陸機)






























漢字の意味の通じるものは漢字で表記
一行は一行に、繰返しは仮名で表記

ちんしふつえつ  
沈詞怫悦;深く言葉を考え込み、喜びが沸き上がる事。

ちょうえん
重淵;水の淀んで深いところを重ねた程の深い深い深み


ふそうれんへん

浮藻聯翩;水に漂う藻がいくつにも連なってひらりひらりと表裏が現れる様子。

かんちょう
翰鳥高く飛ぶ鳥

えい  
纓;冠の付属具。冠の後に垂れる。巾子の元を締めた紐の余りを後ろに下垂させたものの名残。

さか
峻しき;自分を失わない判断力が在る。意識の高い心。
高く険しいところ。

文賦;事物をそのままの述べ表すこと。

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