大字朗詠集切(大字和漢朗詠集切)和漢朗詠集 巻上 鴈  戻る 大字朗詠集切 一覧へ 
    本鳥の子紙(薄茶色)5寸5分×8寸2分
字粒が他の和漢朗詠集の物よりも大きく書かれており、字間・行間も大らかである。表面は高野切同様の加工に染の砂子振りの物と雲母振りの物とが在る。伝藤原行成筆。
料紙は金銀の荒い砂子振りの染紙。


薄茶色

『大字朗詠』 大字和漢朗詠集切 断簡 
19.9cmx25.6cm
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。



         漢詩・かな                                
水色文字は使用時母


  
雲秋。杜荀鶴
320
  虚弓難
避、未抛疑於上弦之月

  懸
、奔箭易迷、猶成誤於下流之

  水急 
江相公

321
  鴈飛碧落青紙、隼撃霜林

  破錦機





 
             とじゅんかく
  雲に點ずる秋。杜荀鶴


  
きょきゅう さりがた 
  虚弓避難し、未だ疑ひを上弦之月の懸れるに

  
なげう   ほんせん まど
  抛たず
奔箭迷ひ易し、猶誤りを下流の水の

  
すみやか       
  急なるに成す 
大江朝綱



  
かり へきらく             はやぶさ
  雁碧落に飛んで青紙に書く、隼霜林を撃ちて

  錦機を破る。
嶋田忠臣






















漢字の意味の通じるものは漢字で表記
一行は一行に、繰返しは仮名で表記


きょきゅう
虚弓;実のない名ばかりの弓。不確かな距離。(弓から的までの距離を測る単位で一弓は6尺)


ほんせん
奔箭;勢いよく飛び出す矢。

へきらく

碧落;青空。遥かなるところ。


 きんき 
錦機;たいそうな潮時。事が起きるきっかけ。




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