大字朗詠集切(大字和漢朗詠集切)和漢朗詠集 巻上 鴈  戻る 大字朗詠集切 一覧へ 
    本鳥の子紙(薄茶色)5寸5分×8寸2分
字粒が他の和漢朗詠集の物よりも大きく書かれており、字間・行間も大らかである。漢詩の部分までもが散らし書きになっている大変珍しい例。表面は高野切同様の加工に染の砂子振りの物と雲母振りの物とが在る。伝藤原行成筆。
料紙は金銀の荒い砂子振りの染紙。


薄茶色

『大字朗詠』 大字和漢朗詠集切 断簡 
18.1cmx25.6cm
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。



         漢詩・かな                                
水色文字は使用時母


  けてきつらむ 
友則
325

  山腰歸鴈斜牽
帯、水面新虹

  未
巾 在中


326

  はるがすみ たつをみすてて

  ゆくかりの、花なきさとに すみ

  やならへる 
いせ


   


  
遣弖支徒良無 紀友則

  
さんよう             
  山腰の帰雁は斜めに帯を牽く、水面の新虹は
     
きん 
  未だ巾を展ベず 
都在中

 



  者留可春美 太川遠見春天々

  由久可利乃、花奈支左止爾 須美

  也奈良部留 
以世






春霞立つを見捨てて往く雁の、花無き里に住みや慣らへる


                                   伊勢

漢字の意味の通じるものは漢字で表記
一行は一行に、繰返しは仮名で表記

さんよう
山腰;山麓と山腹との間。








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