大字朗詠抄切(大字和漢朗詠抄切)和漢朗詠集 巻上 秋(立秋)  戻る 大字朗詠集切 一覧へ 
    本鳥の子紙(薄茶色)5寸5分×8寸2分
字粒が他の和漢朗詠集の物よりも大きく書かれており、字間・行間も大らかである。漢詩の部分までもが散らし書きになっている大変珍しい例。表面は高野切同様の加工に染の砂子振りの物と羅紋柄の物とが在る。伝源俊頼筆。
料紙は金銀揉み箔(荒い砂子)振りの染紙。


薄茶色

『大字朗詠』 大字和漢朗詠抄切 断簡 
16.7cmx24.8cm
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。


   秋

  簫條涼風與


  衰鬢
、誰教

  計會一時秋






   

   秋
  
しょうじょう       あいびん
  蕭条たる涼風と哀鬢と、

  誰か計会して一時に秋ならしむる


   





物悲しくひんやりとした風が無精髭をかすめてゆく
誰かが計らい合わせていっときに秋にさせてしまったのだなあ。
                               (白楽天)



漢字の意味の通じるものは漢字で表記
一行は一行に、繰返しは仮名で表記

東京国立博物館蔵
しょうじょう
簫条;しめやかな様子。物寂しいさま。
びん
鬢;頭の左右の側面にある髪の毛

けいかい 
計会;計らい合わせること。


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