道済集 (6寸7分5厘×1尺2分)            戻る 道済集 一覧へ 
   前田家所蔵 具引唐紙(清書用1枚目)
こちらは昭和初期の複製本となります。原本は小紋の緞子表紙で、見返しには金銀切箔を散した装飾料紙が使われております。右項は薄いベージュ地に淡目の黄雲母で丸獅子唐草が、左項は薄い焦茶色地にやや濃い目の黄雲母で同じく丸獅子唐草が施されております。

薄焦茶色うすこげちゃいろ) 丸獅子唐草   ベージュ色複製本見返し  
粘葉本 『道済集』 左側、薄焦茶色 右側、ベージュ色(丸獅子唐草) 拡大へ 

 道済集(道成集)


右項;丸獅子唐草
具引唐紙(黄雲母)


左項;丸獅子唐草
具引唐紙(黄雲母)



本文解説
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20.4cmx30.9cm
 
光を当てて唐紙を強調しております。ベージュの地色部分では明るいベージュ色に、薄焦げ茶色の地色の部分では明るい赤茶色に光って見えておりますが、実際の見え具合は周りの薄く黄茶色に見えている程度と為ります。   
      かな                  使用字母






   あるところに、第どもい

   だして歌よみはべりしに

   物かかぬかみをとりてはべ

   りしかば

 みな人は そへたることは

 ありげなり、いざしらかみの

    ゐかにせよとぞ

 






  阿類東己呂仁、第止毛意

  堂之天歌與美者部利之仁

  物可々奴可美遠止利天波部

  利之可波

 美那人者 處部堂流己止波

 阿利介奈利、伊佐之良駕三乃

   為可爾世與止處

 

或所に第(題)ども出して歌詠み侍りしに物書かぬ紙を取りて侍りしかば
皆人は添えたることは有りげなり、いざ白紙(白髪)の如何にせよとぞ




















「げ(介)」は「て(弖)」と採ることも出来るが。

「か(駕)」は「な(奈)」とみると、「ゐか(為可)」は「ぬさ(奴散)」ともとれるが、さて皆さんはどう思われるか。





拡大図 丸獅子唐草唐紙
粘葉本 『道済集』 左側、薄焦茶色 右側、ベージュ色(丸獅子唐草) 拡大