道済集 (6寸7分5厘×1尺2分)            戻る 道済集 一覧へ 
   前田家所蔵 具引唐紙(清書用8・9枚目)
こちらは昭和初期の複製本となります。原本は小紋の緞子表紙で、見返しには金銀切箔を散した装飾料紙が使われております。左右両項とも茶色地に白雲母で大唐草が施されています。
此処では見開きに一葉が使用されております。ページを一枚戻るとそこは折代部分で糊付されたページに為ります。

茶色ちゃいろ) 大唐草           茶色    
道済集 具引唐紙 『大唐草』 拡大へ

 道済集(道成集)

右項;大唐草
具引唐紙(白雲母)


左項;大唐草
具引唐紙(白雲母)



本文解説
使用字母へ









20.4cmx30.9cm
 
弱い光を当てて唐紙を強調しております。実際の見え具合は周りの薄く茶色に見えている程度と為ります。   
      かな                  使用字母

  おむなのもとにまかりて

  えあひはべらざりける

   つとめてつかは し し

 あふさかの せきをこさせず

  あり し かば、い き し に

    かへるここち
          こそ

         すれ

  はじめて女に

 あをやぎの いと昔より

  おもへども、いひ

  よらぬまぞ く る し

        かりける


 

  越無那乃毛登爾万可利天

  要阿比波部良佐利个類

   徒止面天都可波之之

 安婦左可乃 世起遠己佐世須

 阿利之可者、伊起志仁

   閑部流己々遅
         古處

        須連

  波之免天女耳

 安乎也幾乃 以止昔與利

  於裳部止毛、以比

  夜良奴末所 久 流 之

       閑利个類


 

 女の許に罷りて、え逢ひ侍らざりける。務めて遣はしし
逢坂の関を越させず有りしかば、生き死に返る心地こそすれ
 初めて女に
青柳のいと昔より思へども、言ひ寄らぬ間ぞ苦しかりける
 









青柳の;枕詞。「いと」にかかる。



 




拡大図 唐紙(大唐草)
唐草文様には、白ギラが使用して有ると思われます。色ギラの様にも見えますが、地色の反射と思われます。
道済集 具引唐紙 『大唐草』 拡大