針切 相模集・重之の子の僧の集        戻る 針切 一覧へ 
    生成り楮紙(素色)
こちらの色は、ぼかしの様にも見えますが元々は未晒しの繊維の色で、長年の変化により褪色、或は褐色化した物と思われます。素色(しろいろ)とは、漂白していない元の繊維の色でやや黄味の砥の粉色〜薄香色の様な色。本来染めていない為、素の色のことを素色(しろいろ)といいます。。写真は薄目の薄香色でかなり褪色しているように見えます。
高い所より書出して歌のみを書写、書き下ろしてゆくに従い行がやや右に流れる特徴が有り、詞書は有りません。


素色(しろいろ)

『針切』 重之が子の僧の集 (素色)13.9cmx21.9cm

写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。


 『針切』 重之が子の僧の集 (素色)  こなたは 
  しげゆきが
    このそうのし
       うなり
        仁与





  使用時母

 
己那多波
   之遣由支可
      己乃所宇乃之
           不那利
             仁与
 
 仁与なる人物は現在のところ明らかになっていない。筆者と思われるが、女性なのか男性であるのかも不明である。字母の少なさとすらりとして誠に女らしい女手であることから、女性と思われる。重之が子の僧を知っていることから、おそらくは尼と想像される。