本阿弥切 巻子本(古今和歌集巻第十八 雑歌下)末葉部分拡大       戻る 本阿弥切 一覧へ                       写真をクリックすると拡大画面になります
白・具剥奪唐紙料紙末葉部分
                                                             


本阿弥切 巻第十八 巻末部分 具剥奪唐紙 白 『唐草』
唐草(からくさ)唐草柄が見え辛いのですが、唐子唐草か大花唐草らしきもの 
巻子本本阿弥切
古今和歌集
巻第十八
巻末


解説及び
使用字母


 
具剥奪唐紙『不明(大菊唐草?)』(元は具引唐紙が経年使用により部分剥落したもので、具引剥奪唐紙ともいう。)

歌番号は元永本古今和歌集での通し番号(歌の一部が異なっている場合も同じ番号で記載)
( )内の歌番号は小松茂美氏監修「本阿弥切古今集」(二玄社発行)の通し番号    解釈(現代語訳)

  うためしけるとき
  たてまつるとて おくにか
  きつけて たてまつりける

            いせ
1008                    (1000)
 山みづの おとにのみきく ももし
  きを、みをはやながら みる
         よし
           もが
             な




  宇多女之个留止支
  多天万川留止天 於久仁可
  支川个天 多天万川利个留

              伊世
1008
 山美川乃 於止爾乃美支久 毛々之
  木越、三遠者也奈可良 美留
         夜之
           毛可
             那





 歌召しける時、奉るとて、奥に書き付けて奉りける。

                         伊勢
1008
 山
の 音にのみ聞く 百磯城を、身を早ながら 見る由もがな

元永本古今和歌集 
 山
の 音にのみ聞く 百敷を、身をはやながら 見る由もがな

公任本古今集
(1000)
 山
かはの 音にのみ聞く 百敷を、身をはやながら 見る由もがな


           現代語訳                        解釈        解説及び使用字母

  歌会へお招きになられた時
  御謙譲なさろうとして、奧に書付けて
  献上いたしました歌

1008
「山水の音にのみ聞く百磯城を、身を早ながら見る由もがな」
山水の流れ来る音の様に噂だけには聞いている宮中を、以前のままの私で見る手立てが有ったらなあ。






1008
(手の届かないところにある噂では耳にする宮中を、身も心も以前のままでお目にかかる方法が有ったら良かったのに)との意を代弁した歌。

山水の音;山中を流れる水の音=遠くから漏れ聞こえて来る水の音の意。

音に聞く;人づてに聞く。噂に聞く。




解説右側は
使用字母







もも し き

百磯城
禁庭、内裏、皇居、禁中。元は枕詞「百敷の」から

石突きの城の意
































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本阿弥切 巻第十八 巻末部分 具剥奪唐紙 白 『唐草』