法輪寺切(法輪寺切和漢朗詠集)巻下断簡 雲       戻る 法輪寺切  一覧へ

  羅紋状飛雲料紙 薄藍染紙雲母振 

料紙は鳥の子紙で、藍と紫に染めた繊維を飛雲として漉き込んだ薄藍の染紙に、砂子状の雲母を紙面全体に鏤めた装飾料紙である。然もこの飛雲、他に類を見ない特殊な加工が施してあり、一つ一つの飛雲が羅紋状に形成されていて非常に価値の高い資料としても貴重なもの。一枚につき三か所の飛雲が施してある。

 清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)  清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)   清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)    『法輪寺切』 (法輪寺切和漢朗詠集) 巻下断簡 雲 拡大へ
淡藍色  淡藍色   淡茶色・別注品  



淡藍色(経年変化による褐変部分を含む)
 『法輪寺切』 (法輪寺切和漢朗詠集) 巻下断簡 雲 
約26cmx8.7cm
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。



       漢詩・かな(黄文字は欠損部分)                 水色文字は使用時母

    雲

403
 竹斑湘浦、雲疑鼓瑟之蹤、鳳去秦薹、月老

 吹簫之地。
 愁賦


404

 山遠雲埋行客跡、松寒風破旅人夢。



405
                       幽栖
 盡日望雲心不繋、有時見月夜正閑。



406

 漢皓避秦之朝、望礙孤峯之月、陶朱辭

 
越之暮、眼混五湖之煙。視雲知隠賦
                 以言



 

    雲
403
   しゃうほ  まだら     こ しつ  あと
 竹湘浦に斑なり、雲鼓瑟の蹤に凝る、鳳秦臺を去る、

  
すいてき
 月吹簫の地に老いんたり
 
愁うの賦 (張読)

404        
かうかく 
 山遠くしては雲行客の跡を埋む、松寒くしては風旅人の夢

 を破る。


405
 じんじつ         つな
 盡日雲を望めば心繋がれず、時有りて月を見れば夜正に
 
しず
 閑かなり。 
幽栖 元槇

406
 
かんかう   
   あした のぞみ                 
 漢皓秦を避つし朝、望孤峯の月を礙ふ、陶朱を辭せし
 
ゆうべ まなこ
 
暮、眼五湖の煙に混ず 雲を視て陰を知るの賦 大江以言




403
 竹斑湘浦、雲疑鼓瑟之蹤、鳳去秦薹、月老

 吹簫之地
 愁賦

404

 山遠雲埋行客跡、松寒風破旅人夢


405
                         幽栖
 盡日望雲心不繋、有時見月夜正閑。


406

 漢皓避秦之朝、望礙孤峯之月、陶朱辭


 
越之暮、眼混五湖之煙
雲知隠賦
                 以言



 こしつ つづみ おおごと
鼓瑟;鼓と瑟
。瑟は琴に似た中国の弦楽器で、24弦ほども有り幅が広い。

 しょうほ
湘浦;中国湖南省の湘水にある浦。


じんじつ
盡日;尽日。朝から晩まで。一日中。

ゆうせい
幽栖;世俗を避けて隠れ住むこと。隠れ家。

 さ   がい
礙ふ;碍する。さえぎる。

とうしゅ     こうせん     はんれい
陶朱;越王勾践の功臣、范蠡のこと。越の大夫で官を退いた後に陶に住み、朱と称したことから。


 このページの


 







飛雲料紙代用可能一覧
(飛雲の位置は其々の料紙で多少の違いが有ります。気になる方は其々の料紙に合わせた特注品としてお造り出来ますが、割高にはなります。参考オリジナル料紙作成)
以下は代用可能な古筆の一覧ですが、飛雲は何れも通常の物です。

小島切      伝小野道風
深窓秘抄     伝宗尊親王
歌仙歌合     伝藤原行成
和歌体十種    伝藤原忠家
堤中納言集    伝紀貫之
名家歌集切    伝紀貫之
元暦校本万葉集  伝藤原行成・他
敦忠集切     伝藤原行成
伊豫切和漢朗詠集 伝藤原行成
紙撚切道済集   伝藤原佐理