法輪寺切(法輪寺切和漢朗詠集)巻下断簡 猿・述懐    戻る 法輪寺切  一覧へ

  羅紋状飛雲料紙 薄藍染紙雲母振 

料紙は鳥の子紙で、藍と紫に染めた繊維を飛雲として漉き込んだ薄藍の染紙に、砂子状の雲母を紙面全体に鏤めた装飾料紙である。然もこの飛雲、他に類を見ない特殊な加工が施してあり、一つ一つの飛雲が羅紋状に形成されていて非常に価値の高い資料としても貴重なもの。一枚につき三か所の飛雲が施してある。

 清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)  清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)   清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)    『法輪寺切』 (法輪寺切和漢朗詠集) 巻下断簡 猿・述懐 拡大へ
淡藍色  淡藍色   淡茶色・別注品  猿・述懐



淡藍色
 『法輪寺切』 (法輪寺切和漢朗詠集) 巻下断簡 猿・述懐 
約26cmx8.7cm
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。



         漢詩・かな                        水色文字は使用時母

455
 江從
巴峽初成字、猿過巠陽始斷腸。 白


456

 三聲猿後垂郷涙、一葉舟中載病身。
 同


757

 范蠡収責,棹扁舟而逃名,謝安辭功,伏孤雲

 而養志
 江




 
455
 
                    ぶやう 
 江は巴峽従り初めて字を成す、猿は巫陽を過ぎて始めて 
 
はらわた
 腸を断つ。
 
白楽天

456          
きゃうるい                びゃうしん
 三声の猿の後に郷涙を垂る、一葉の舟の中に病身を
 

 載せたり
。 
白楽天

757
 はんれい      へんしう  さお
 范蠡責を収む、扁舟に棹さして名を逃る、謝安功を辞す、

 孤雲に鞭って志を養う。
 大江朝綱






455
 江從巴峽
初成字、猿過巠陽始斷腸。

456
 三聲猿後垂郷涙、一葉舟中載病身


757
 范蠡収責、棹扁舟而逃名、謝安辭功、伏孤雲

 而養志。
 



 はきょう 
巴峡;
両脇を山などに挟まれた狭く細長い先に在る丸く湾曲した部分。

 ぶよう
巫陽;信心が神仏の霊に通ずること、神に仕えて人の吉凶を予言する。(我が子を失うほどの悼み悲しみ)


はんれい

范蠡;春秋時代の越王勾践の功臣で楚の出身。会稽の戦に敗れた勾践を助け、後に呉王夫差に復讐させた。晩年は野に下り、陶朱公と称される富豪となった。

へんしゅう
扁舟;こぶね。小さな舟

しゃあん
謝安;東晋の宰相で好んで行書を用いた。桓温の司馬となり、孝武帝の時に前秦の荷堅に攻入られた折り、総帥として之に抗したが?水で大敗して盧陵郡公に追い込められた。

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飛雲料紙代用可能一覧
(飛雲の位置は其々の料紙で多少の違いが有ります。気になる方は其々の料紙に合わせた特注品としてお造り出来ますが、割高にはなります。参考オリジナル料紙作成)
以下は代用可能な古筆の一覧ですが、飛雲は何れも通常の物です。

小島切      伝小野道風
深窓秘抄     伝宗尊親王
歌仙歌合     伝藤原行成
和歌体十種    伝藤原忠家
堤中納言集    伝紀貫之
名家歌集切    伝紀貫之
元暦校本万葉集  伝藤原行成・他
敦忠集切     伝藤原行成
伊豫切和漢朗詠集 伝藤原行成
紙撚切道済集   伝藤原佐理