金沢本万葉集・13（万葉集巻二）

金沢本万葉集　（７寸１分５厘×８寸９分５厘）　　　　　　　　
　万葉集・巻二　具引唐紙極薄焦茶色『西瓜唐草』第八紙（清書用極薄茶色）

極薄焦茶色（ごくうすこげちゃいろ）　西瓜唐草（瓜唐草）　　

	本文解説へ唐紙の柄は西瓜唐草（瓜唐草）２１．６ｃｍｘ２７．１ｃｍ
日本古典文学会の模本です。西瓜の唐草柄を全面にｷﾞﾗ摺りした具引唐紙のものです。光を当てた状態で中央に見えている程度と為ります。	水色文字は使用字母、
97 　みこもかる　しなののまゆみ　ひかずして、　しぬさるわざを　しるといはなくに 98 　梓弓　引者随意　依目友、後心乎　知勝奴鴨　郎女　あづさゆみ　ひかばねがひに　よらめども、　のちのこころを　しりかねぬかも 99 　梓弓　都良弦取波気　引人者、後心乎　知人曾引　禪師　あづさゆみ　つらをとりはけ　ひくひとは、　のちのこころを　しる人ぞひく 100 　東人之　荷向匿乃　荷之緒尓毛、妹情尓　乗尓　家留香問　禪師　あづま人の　のさきのはこの　かのをにも、　いもがこころに　のりにけるかも　大伴宿禰、娉二巨勢郎女一時歌一首　　大伴宿禰譁妾麻呂也、難波胡右大臣大　　（此恋大伴長徳偲狠之第六子乎城胡伺大納　　言勲大将軍薨也）	97 　美己毛可留　之奈乃々末由美　比可寸之天、　之奴左留和左遠　之留登以者那久爾 98 　あづさゆみ　　　　まにま　　　　　　　梓弓引かば随意によらめども、後の心を知りかてぬかも　安徒左由美　比可波禰可比爾　与良女止无、　乃知能己々呂遠　志利可禰奴可毛 99　　　つらを　　　は　梓弓連弦とり著け引く人は、後の心を知る人ぞ引く　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　禪師　阿川左由見　川良遠止利波計　比久比止波、　能知乃己々呂遠　之留人曾比久 100 　あずまど　　の　さき　　　　か　　を　　　いも　こころ　東人の荷前の箱の荷の緒にも、妹は情に乗りに　けるかも　禪師　安徒末人能　々左支能者己乃　可能遠耳毛、　以毛可己々呂爾　乃利仁介留可毛　　　　　　　　こせ　いらつめ　つまと　大伴宿禰、巨勢郎女を娉ひし時の歌一首　大伴宿禰譁妾麻呂也、難波胡右大臣大　　（此恋大伴長徳偲狠之第六子乎城胡伺大納　　言勲大将軍薨也）
みこもか　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　こも　むしろ水菰刈る；「信濃」にかかる枕詞。水中に生える菰。筵の材料となる。まゆみ　　　　　　　　　檀；主に弓を作るのに使うニシキギ科の落葉小高木。あづさゆみ梓弓；梓の木で造った丸木の弓。「引く」にかかる枕詞。　つらを　　つらお連弦；（弦緒）、ゆみづる、ゆづる。　は　　つら著く；弦を弓につける。あずまど東人；あずまうど、あずまびと。東国の人。

　　　　　　　　　　　　　　　
拡大図　西瓜唐草（極薄茶色）　　