寸松庵(寸松庵色紙・古今和歌集抄本) 巻四・秋上     戻る 寸松庵色紙 一覧へ
 具引唐紙『西瓜唐草』(薄藍色)「秋萩の」 

寸松庵色紙は古今和歌集の四季の歌を精撰して書写したもので、佐久間将監が京都大徳寺の離れ寸松庵で愛玩していた事により、寸松庵色紙と名付けられたもの。元々堺が繁盛していた頃に南宗寺の襖に三十六枚の色紙が貼られており、その内の十二枚を寸松庵に譲り受けたもの。残りの幾つかは烏丸光弘が譲り受けている。
茶掛けとして古筆が持て囃されてくると、この小さな色紙もその散らし書きの美しさからやがて陽の目を見ることとなり、後の世に高値で取引されるに至った。




                かな                                水色文字は使用時母

寸松庵色紙 秋上 『秋萩の』 (薄藍色) 拡大
12.3cmx12.8cm
      としゆき

  あきはぎの 花さき

  にけり たかさごの、

  をのへにいまや し

   か は な く ら ん


      
使用時母

       止之由支

  安支者支乃 花左支

  爾个利 堂可佐己乃、

  遠能部爾以万也 志

   可 者 奈 久 良 无


                          藤原敏行
 
218
 秋萩の花咲きにけり高砂の、尾上に今や鹿は鳴くらん。

また今年も秋になり萩の花が咲いている、高砂の山の上の方で今まさに鹿が鳴いている。(秋になったのだなあ、としみじみ感じている様子。)


高砂;兵庫県南部加古川の西相生の松で知られる高砂神社が在る。また、天下泰平を祝福したり、高砂台を作ったりして長寿・婚礼などの祝賀に常用する。

をのへ
尾上;山の峰続きの高い場所。



薄藍色具引唐紙・白雲母『西瓜唐草』(全面)       五島慶太氏旧蔵

 漢字の意味の通じるものは漢字で表記
 一行は一行に、繰返しは仮名で表記
「爾」は「尓」とすることも、「个」は「介」とすることも。












西本願寺三十六人集の西瓜と同じような柄が施されている。

薄渋黄土色;黄茶、黄などとすることも。
 右の写真はこの箇所に該当する清書用臨書用紙(左が上製)
これまでの清書用には入れられていない柄(上製のみ)
(普通清書用では灰青緑色『瓜唐草』の物を利用してください、右側)
     上製        普通清書用
  寸松庵色紙 具剥奪唐紙 『西瓜』 (灰青緑色) 清書用 臨書用紙(上製) 拡大へ 寸松庵色紙 具剥奪唐紙 『瓜唐草』 (灰青緑色) 清書用 臨書用紙 拡大へ
清書用 灰青緑色具剥奪紙・『西瓜唐草』
  

このページの