寸松庵(寸松庵色紙・古今和歌集抄本) 巻五・秋下      戻る 寸松庵色紙 一覧へ
 具引唐紙『柄不明』(薄渋黄土色)「雨経れば」   

寸松庵色紙は古今和歌集の四季の歌を精撰して書写したもので、元は粘葉本と思われる冊子に書写されたものが分割され、色紙の形に残ったもの。佐久間将監が京都大徳寺の離れ寸松庵で愛玩していた事により、江戸時代の初期に寸松庵色紙と名付けられた(「古筆切名物」古筆了佐の曾孫了仲書写)。またその後に書かれた『古筆名葉集』には「寸松庵色紙、唐紙地哥チラシ書」とあり、既に唐紙に散らし書きされた書として認識されていた事が伺える。
 
歌『あめふれば かさとり山の もみぢばは・・・』へ、 歌『秋のつき 山べさやかに てらせるは・・・』へ
  歌『道しらば たづねもゆかむ もみぢばを・・・』へ、  歌『秋かぜに こゑをほにあげ くるふねは・・・』へ



                かな                                水色文字は使用時母

寸松庵色紙 秋下 『あめふれば』 (薄渋黄土色) 拡大
12.6cmx12.9cm
     ただみね

  あめふれば かさ

   とり山の もみぢ

  ばは、ゆきかふ人の

   そでさへぞてる


      
使用時母

      多々見年

  安免不礼盤 可左

   止利山乃 毛美知

  盤々、由支可婦人乃

   所天佐部曾天留


                           壬生忠岑
263
 雨経れば笠取山のもみぢ葉は、行き交ふ人の袖さへぞてる。

雨上がりの笠取山は(空気も澄み渡って)草木の葉が錦に輝いて、
行き交う人の袖さへも晴れ晴れとしているようですよ。








歌262と続きで互いの文字が反転してうっすらと付いている為元は一枚の料紙の見開きであったと思われる。
(遠い昔に湿気等で墨が移行したものか)


若干の青味が見られる
薄渋黄土色具引唐紙・白雲母『柄不明』

 漢字の意味の通じるものは漢字で表記
 一行は一行に、繰返しは仮名で表記
 「个」は「介」とすることも。

かさとりやま
笠取山;。京都府南東部宇治市の東に位置する山。
歌枕であり紅葉の名所。


うっすらと反転した文字が見て取れる。
前項の文字の反転
 
『ちはやぶる かみのい
 がに はふくずも、
 あきにはあへづ も
 みぢしにけり』



柄らしきものはあるが何の柄かは確認出来ておらず。

薄渋黄土色としているが、元は薄藍色と思われる。
 右の写真はこの箇所に該当する清書用臨書用紙 
元は薄藍色系具引唐紙(柄不明)と思われますが前の歌「ちはやぶる」に比べて
経年変化による褐色化がやや進んでいる為、此方を当てています。
もちろん灰青緑色の物を使用することもできます。
     上製       普通清書用
  寸松庵色紙 具剥奪紙(薄渋黄土色)『柄無』 清書用 臨書用紙 拡大へ 寸松庵色紙 具剥奪紙(薄渋黄土色) 清書用 臨書用紙 拡大へ
清書用 薄渋黄土色具剥奪紙・『柄無』

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(寸松庵色紙・古今和歌集抄本) 巻五・秋下

 具引唐紙『抱鶴唐草』(渋黄土色)「秋の月」

                かな                                水色文字は使用時母

寸松庵色紙 秋下 『秋のつき』 (薄渋黄土色) 拡大
 12.7cmx13.0cm
      
    秋のつき 山べ

     さやかに てら

         せ る は

    おつるもみぢ

      のかずを

        みよとか


      
使用時母

     秋乃川支 山部

       左也可爾 天良

            勢 留 盤

    於川留 毛美知

        能 可 春 遠

            美與止可

 
 
                           (詠人不知)
289
 秋の月山辺さやかに照らせるは、落つる紅葉の数を見よとか。

秋の月が山辺をはっきり見える様に照らしているのは、落ちてしまった紅葉の葉がどれ程あるのかを見てよ!とでも言っているのでしょうか。











渋黄土色具引唐紙・白雲母『花襷紋』(全面)          浅野家旧蔵
 
 漢字の意味の通じるものは漢字で表記
 一行は一行に、繰返しは仮名で表記
「个」は「介」とすることも、「爾」は「尓」とすることも。




歌288と続きで同柄の為元は一枚の料紙であったと思われる。






写真では確認し辛いが、花襷紋が施されている。

渋黄土色;薄黄茶とすることも。



 右の写真はこの箇所に該当する清書用臨書用紙(左が上製) 
元は薄渋黄土色系具引唐紙『花襷紋』と思われます、
経年変化による褐色化が進んでいますが此方を当てています。(上製のみ)
もちろん茶色の物を使用することもできます。


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     上製       普通清書用
  寸松庵色紙 具剥奪唐紙(薄渋黄土色)『花襷紋』 清書用 臨書用紙 拡大へ 寸松庵色紙 具剥奪紙(薄渋黄土色) 清書用 臨書用紙 拡大へ
清書用 薄渋黄土色具引唐紙・白雲母『花襷紋』


当初の粘葉本として書かれていた状態


寸松庵色紙 春上 『秋のつき』 (薄渋黄土色) 拡大寸松庵色紙 秋下 『ふみわけて』 (薄渋黄土色) 拡大
 当初の粘葉本として書かれていた状態

古今和歌集としての歌の続きから
元は一枚の料紙としてこの状態に
なっていたと思われる。


同様に他の左右一紙と思われる部分
       歌289                 歌288
   
(東京国立博物館蔵)           (田中親美氏模本)
    唐紙は共に「花襷紋」
色の違いは保存状態による経年変化の差
と思われる。


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(寸松庵色紙・古今和歌集抄本) 巻五・秋下

 具引唐紙『抱鶴唐草』(薄渋黄土色)「道知らば」

                かな                                水色文字は使用時母

寸松庵色紙 春上 『道しらば』 (薄渋黄土色) 拡大
 12.7cmx13.0cm
      みつね

  道しらば たづ ね

   もゆかむ もみぢ

   ば を、ぬさとた

   む け て 秋は

     い に け り


      
使用時母

       美川年

   道志良波 太川 年

    毛遊可武  毛美知

    盤 遠、奴 佐止太

   无 个 弖  秋 盤

        以 爾 个 利

 
 
                           大河内躬恒
313
 道知らば訪ねも行かむもみじ葉を、幣と手向けて秋は去にけり。

道を知っていれば訪ねて行こうとも思うのだが、紅葉の葉を守り神への餞別にして秋は往ってしまいましたよ。


ぬさ          はらえ
幣;神に祈る時に供え祓として捧げ持つもの。

手向山;悪霊から旅の安全を守る道祖神に、幣を手向けることが決まっている峠道の在る山。



やや茶味の強い
薄渋黄土色具引唐紙・白雲母『抱鶴唐草』(全面)
 
 漢字の意味の通じるものは漢字で表記
 一行は一行に、繰返しは仮名で表記
「个」は「介」とすることも、「爾」は「尓」とすることも。




歌312と続きで同柄の為元は一枚の料紙であったと思われる。






写真では確認し辛いが、抱鶴唐草と思われるものが施されている。

薄渋黄土色;薄茶とすることも。
 右の写真はこの箇所に該当する清書用臨書用紙(左が上製) 
元は薄渋黄土色系具引唐紙『抱鶴唐草』と思われますが
経年変化による褐変が進んでいる為、此方を当てています。(上製のみ)
もちろん薄渋黄土色の物を使用することもできます。
     上製       普通清書用
  寸松庵色紙 具剥奪唐紙(茶色)『抱鶴唐草』 清書用 臨書用紙 拡大へ 寸松庵色紙 具剥奪紙(茶色) 清書用 臨書用紙 拡大へ
清書用 薄茶色具剥奪唐紙・白雲母『抱鶴唐草』

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(寸松庵色紙・古今和歌集抄本) 巻四・秋上

 具引唐紙『亀甲紋(蜜柑茶色)「秋風に 声」

                かな                                水色文字は使用時母

寸松庵色紙 春上 『いろもかも』 (灰白色) 拡大
 9.5cmx9.2cm
      すがねのあそむ

   秋かぜに こゑを

   ほ に あ げ てく
          る

   ふ ね は あ ま

   のとわたる かり

     に ざ り け る


      
使用時母

      
春可年乃安所无

   秋可世爾 己恵遠

   本 爾 安 个 弖久
             留

   不 年 盤 安 万

   乃止和多留 可利

     爾 左 利 个 留

 
 
                           菅根朝臣
212
 秋風に声をほに掲げて来る船は、天の門渡る雁にざりける。

秋風と共に鳴き声を帆に受けて突き進んで来る船は、大空の瀬戸を渡る雁の群れであったのだなあ。











蜜柑茶色具引唐紙・白雲母『亀甲紋』(一重亀甲・全面)
 
 漢字の意味の通じるものは漢字で表記
 一行は一行に、繰返しは仮名で表記
「爾」は「尓」とすることも、「个」は「介」とすることも。

          
み と
天の戸;天の川の水門。

ざり;「ぞあり」の約音。「ぞ」は強調の係助詞。
「あり」は認識の動詞。

ける;助動詞「けり」の変格。
或る事実から、過去に見た(有った)ことが思い出される。


写真では確認し辛いが、亀甲紋が施されている。

蜜柑茶色;或は赤茶、黄丹とすることも。
経年変化による茶味の強くなったものと思われる。
 右の写真はこの箇所に該当する清書用臨書用紙(左が上製) 
元は蜜柑茶色具引唐紙『亀甲紋』と思われますが
経年変化による褐変が進んでいる為、此方を当てています。(上製のみ)
もちろん蜜柑茶色の物を使用することもできます。
(普通清書用では茶色柄無の物をご利用ください。右側)
     上製       普通清書用
  寸松庵色紙 具剥奪唐紙(茶色)『亀甲紋』 清書用 臨書用紙 拡大へ 寸松庵色紙 具剥奪紙(茶色) 清書用 臨書用紙 拡大へ
清書用 茶色具剥奪唐紙・白雲母『亀甲紋』

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