本願寺三十六人集 貫之集・伊勢集 『石山切』(田中親美氏模本) 戻る 『三十六人集』 粘葉本 一覧へ
模本制作記録

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模本制作記録の書解説
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石山切模本制作記録・具引唐紙料紙 縦6寸7分、横1尺5分5厘
本願寺三十六人集、貫之集・下及び伊勢集と同じ大きさです。模本制作に当たっての経緯が書かれております。
 
 
本願寺三十六人集 『模本制作記録』 (菱唐草) 拡大  
 石山切模本制作記録・具引唐紙料紙 『兎』部分の拡大です。(ハギ、ススキに隠れる兎)
墨は益田鈍翁
   
本願寺三十六人集 『模本制作記録』 (花唐草) 拡大 
石山切模本制作記録・具引唐紙料紙 『秋草』部分の拡大です。(ハギ、ススキ、キキョウ、オミナエシ)
左側にうっすらと見えているのは丸葉が萩、細葉がススキです。(光が当たれば、桔梗のように輝いて見えます。)
墨は益田鈍翁


本願寺三十六人集 『模本制作記録』  拡大 書
 石山切模本制作記録・具引唐紙料紙 縦6寸7分、横1尺5分5厘

歌番号は能宜集での通し番号                       使用字母


 草木蝶鳥を描き善美を尽したる

 ものにして、技巧の極致、色彩の妙実に
          

 古今独特と称すべし。余も弐中の数葉
                
すこし
 所蔵するを以てこれと対比するに毫も迷ふ

 處無し、よく定優雅なる気品と深き

 味ひ表現したるを見てえず。幾歌の

 筋を漏し只かかる名品の製作を得たるは
   
しかい
 真に斯界の馮め慶賀の念に堪えず

 一言記すものなり。

 昭和七年十二月
      男爵 益田孝□


 


 草木蝶鳥遠描幾善美遠尽之多累

 毛乃爾之天、技巧乃極致、色彩の之妙実爾
          
 古今独特止称寸部之。余毛弐中之数葉
               
 所蔵寸留遠以天己禮止対比寸留爾毫毛迷不

 處無之、與久定優雅奈類気品止深幾

 味比表現之多留遠見天憂衣寸。幾歌乃

 筋遠漏之只加々留名品乃製作遠得多留八

 真爾斯界乃馮女慶賀乃念爾堪部須

 一言記須毛乃奈利。

 昭和七年十二月
      男爵 益田孝




「與」は「与」とすることも。
「爾」は「尓」とすることも。
「礼」は「禮」とすることも。


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