針切 相模集9
生成り楮紙(素色)
こちらの色は、ぼかしの様にも見えますが元々は未晒しの繊維の色で、長年の変化により褪色、或は褐色化した物と思われます。素色(しろいろ)とは、漂白していない元の繊維の色でやや黄味の砥の粉色~薄香色の様な色。本来染めていない為、素の色のことを素色(しろいろ)といいます。。写真は薄目の薄香色でかなり褪色しているように見えます。
高い所より書出して歌のみを書写、書き下ろしてゆくに従い行がやや右に流れる特徴が有り、詞書は有りません。
素色(しろいろ)
約7.3cmx21.3cm | ||
写真の状態があまりよくありませんが ご了承ください。 |
かな 使用時母へ
ものをのみ おもひいり火の 山のはに、かかる うきみと などてなりけむ おもひつつ いはぬ心の うちをこそ、つれなき ひとに みすべかりけれ |
ものをのみ 思ひ入り火の 山の端に、斯かる 憂き身と などてなりけむ 思ひつつ 云はぬ心の 内をこそ、つれなき 人に 見すべかりけれ |
漢字の意味の通じるものは漢字で表記 一行は一行に、繰返しは仮名で表記 |
読みやすい様に所々に漢字、読点を入れております。解説へ |