金沢本万葉集 (7寸1分5厘×8寸9分5厘)
万葉集・巻二 具引唐紙 極薄茶色『七宝紋』第三紙(清書用黄茶色)
黄茶色(きちゃいろ) 七宝紋 金銀切箔振
本文解説へ 唐紙の柄は 七宝紋(七宝) 21.6cmx27.1cm |
|
良く見ないと判らないぐらい柄がはっきりしておりません。実際の見え具合は中央上側の薄くグレーに見えている程度と為ります。 | 水色文字は使用字母、 |
近江大津宮御宇天皇代 天皇聖躬不豫之時太后奉御歌 一書歌 天皇崩後太后御作歌 天皇崩時婦人作歌未詳姓氏 天皇大殯之時歌二首 太后御歌 石川夫人歌 後山科御陵退散之時額田王作歌 明日香清御原宮御宇天皇代 十市皇女薨時高市皇子尊御作歌三首 天皇崩時太后御作歌 一書歌二首 天皇崩之後、八年九月九日奉為御齋曾之夜 (夢裏習賜御歌一首) |
あふみのおほつのみや すめらみこと みよ 近江大津宮に天の下知らしめしし天皇の代 おほみみやくさ 天皇聖躬不豫みたまひし時、太后の奉れる御歌 一書の歌 かむあが 天皇崩りましし後、太后の作りませる御歌 をみなめ 天皇崩りましし時、婦人の作れる歌未だ姓氏を詳らかにせず おほあらき 天皇の大殯の時の歌二首 太后の御歌 石川夫人の歌 後に山科御陵より退散りし時、額田王の作れる歌 あ す かのきよみはらのみや 明日香清御原宮に天の下知らしめしし天皇の代 とをちのひめみこ みまか たけちのみこのみこと 十市皇女薨りましし時、高市皇子尊の作りませる 御歌三首 天皇崩りましし時、太后作りませる御歌 一書の歌二首 ご さ い そ 天皇崩りましし後、八年九月九日、奉為に御齋曾 せし夜、(夢の裏に習ひ賜へる歌一首) |
こうきょ 薨去;皇族または貴人の死。 かむあが 崩る;神上がる、神が天に上がる。崩御する。 おほあらき 大殯;殯(荒城)の尊敬語 ひんきゅう 殯宮;天皇や皇族の棺を葬儀の時まで安置しておく仮の御殿。 齋;物忌み、いつく。心身の穢れを浄めて神に仕える 一書歌;ある書物の歌 |
( )は次項にあり |