金沢本万葉集 (7寸1分5厘×8寸9分5厘)       戻る 金沢本万葉集 一覧へ 
 万葉集・巻二 具引唐紙 極薄茶色『花亀甲紋』第二十紙(清書用極薄茶色)

極薄茶色(ごくうすちゃいろ) 二重花亀甲紋  

古筆臨書 粘葉本金沢万葉集 料紙 具引唐紙 『二重花亀甲紋』









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唐紙の柄は

花亀甲紋(二重花亀甲紋)









21.6cmx27.1cm 
良く見ないと判らないぐらい柄がはっきりしておりません。実際の見え具合は中央上側の薄くグレーに見えている程度と為ります。 水色文字は使用字母

  或本歌一首

170
 嶋宮 勾乃池之 放鳥 人目尓恋而 池尓不潜

 しまみやの まなのいけなる はなちどり

 ひとめにこひて いけにくぐらむ


  皇子尊宮舎人等、慟傷作歌廿三首

171
 高光 我日皇子乃 萬代尓 國前知麻之 嶋宮波母

 たかくてる わがひのみこの よろづよに

 くにしられまし しまのみやはも


172

 嶋宮 上池有 放鳥 荒備勿行 君不麻十万

 しまみやの いけのおもなる はなちどり

 あらびなゆきそ きみまさずとも

173
 高光 吾日皇子乃 伊麻世者 嶋御門者 不荒

 有益乎

 あまてらす わがひのみこの いましせば


 (しまのみかどは あれざらましを)


 或本の歌一首
170    まがり                    かづ
 島の宮勾の池の放ち鳥、人目に恋ひて池に潜かず

 之末美也乃 末奈能以計奈留 者那知止利、

 比止女爾己比天 以計爾久々良武

   みこのみこと     とねり   い た
  皇子尊の宮の舎人等、慟傷みて作れる歌

  二十三首


171
    わがひ  み こ  
 高光る我日の皇子の萬代に、國知らさまし島の宮はも

 
多可久天留 和可比乃見己乃 与呂徒与仁、

 久爾之良礼末之 々末能美也者毛

172                あら
 島の宮上の池なる放ち鳥、荒びな行きそ君まさずとも


 之末美也乃 以計乃於毛那留 者那知止利、

 安良比奈由支曾 幾美末左寸止无


173    わがひ  み こ
 高光る吾日の皇子のいましせば、
    
みかど
 島の御門は荒れざらましを

 阿末天良須 和可比乃美己能 以末之世波、

 (之末乃見可止波 安礼左良末之遠)

かづ
潜かず;水中にもぐる。

 ひ  み こ
日の皇子;ひつぎのみこ。皇太子の称号。

あら
荒びな行きそ;どうか散り散りになって行かないでおくれ。「な・・・そ」は相手に懇願して婉曲な禁止を表す副詞。


 


               
拡大図 二重花亀甲紋(極薄茶色)  
古筆臨書 粘葉本金沢万葉集 料紙 具引唐紙 『二重花亀甲紋』