金沢本万葉集 (7寸1分5厘×8寸9分5厘)       戻る 金沢本万葉集 一覧へ 
 万葉集・巻二・四『粘葉本見返し料紙』(大正末期模本)

見返し料紙 金大小切箔振  

古筆臨書 粘葉本金沢万葉集 見返し料紙 具引染紙 『全面金銀大小切箔』






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大正末期模本。

佐佐木信綱刊行

右側は、第三十九紙表面
極薄茶色具引唐紙『二重花亀甲紋』



左側は、見返し料紙
白色具引唐紙『唐子唐草』










21.6cmx27.1cm 
左側、裏表紙見返し料紙白色具引唐紙『唐子唐草』金大小切箔
右側は第三十九紙表面『二重花亀甲紋』
大正末期模本。(佐佐木信綱監修)    

一寸柄がはっきり見えておらず、申し訳ございません。


   右坂上郎女者、佐保大納言卿之女也。駿河

   麿此高市大卿之孫也、兩郷兄弟之家

   女孫姑姪之族、是以題
歌堪送歌、相二レ

   問起居



   大伴宿禰三依離後相歓歌一首

650
 吾妹子者 常世國尓 住家良志 昔見 復若益尓家利

 わがせこは とこよのくにに すみけらし

 (むかしみしより をちましにけり)










    
 さかのへのいらつめ            むすめ
  右、坂上郎女は、佐保大納言卿の女なり。

  駿河麻呂はこの高市大卿の孫なり、

  両卿は兄弟の家、女孫姑姪の族なれば、
  
これ
  是を以ちて歌を題し、送り答へし歌 

  起居を相問ひき。

  
おおとものすくねみより   わか  また あ
  大伴宿禰三依、離れて後相へるを
  
よろこ
  歓ぶる歌一首

650 わぎもこ   とこよ
 吾妹子は常世の國に住みけらし、
       
を ち
 昔見しより復若ましにけり

 和可世己波 止己与能久耳々 寸美介良之

 (武可之見之与利 乎知末之爾希利)


( )は逸失部分、使用時母は推定

 ききょ

起居;立ち居振る舞い。日常の生活一般。安否。

 とこよ
常世;常に変わらないこと。永久不変である。

常世の国;不老不死の国。蓬莱山、仙郷。

 を ち
復若;元に返ること。若返ること。

右とは、大伴坂上郎女の歌を指す。

なつくず
夏葛の絶えぬ使のよどめれば、事しもあるごと思ひつるかも



               
拡大図 見返し料紙(白色 全面金大小切箔振)  

古筆臨書 粘葉本金沢万葉集 見返し料紙 具引染紙 『全面金銀大小切箔』
裏表紙見返し料紙は白色の具引唐紙に金大小切箔振        右側は第三十九紙表面、薄焦茶色具引唐紙『二重花亀甲紋』