巻子本「藍紙本万葉集」(8寸7分8厘×37尺2寸6分  戻る 『藍紙本万葉集』巻子本 一覧へ

   万葉集(巻第九残巻) (両面加工)模写本(作成年代不明)

万葉集二十巻(歌数4516首)のうちの巻第九集(歌数148首)の零巻(108首)である。料紙24枚(見返し料紙と奥付を除く)からなる長巻で、ここに詞書、漢文調和歌及び仮名書和歌が533行分が残されている。料紙は長さ46㎝~51.6㎝で1枚の行数は21行~29行とまちまちであり、その内三葉が部分的な逸失により16㎝~31.6㎝の物となっている。書風は前田育徳会傳蔵の北山抄の巻三・巻七書風(伝藤原伊房筆)とほぼ同一(酷似)、源氏物語絵巻の第一書風とも同一手によるものと見える。肉太で力強い筆致と、行を若干斜めに傾け一気呵成に筆を走らせたような精力的な筆跡である。

見返し料紙
  第一紙(灰青)          
     素色(しろいろぐびき)   
  古筆臨書 巻子本 『藍紙本万葉集』 第一紙・巻頭見返し (次へ)  
全長26.6cmx1129cm 


見返し料紙
拡大図

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薄香色



巻頭の詞書四紙分
は割愛されてます

見返し料紙はベージュ色の具引に金銀を施した金銀彩の装飾料紙。本文は銀砂子(銀揉み箔)を施した藍紙。
全長1129㎝はこの模本の長さ、割愛された巻頭の詞書四紙分を含めると約1330㎝となる。
尚、この模本には明治期に田中親美氏に割譲された部分の歌十首も含まれている。

この摸本の題箋には『萬葉集巻第九』の文字。

拡大図



    
   見返し料紙 装飾料紙           古筆臨書 巻子本 『藍紙本万葉集』 見返し料紙 (次へ)
見返し料紙部分  縦26.6cmx横22.5cm
拡大図 桂本万葉集


見返し料紙

表紙折り返し約1cm

素色(薄香色)の具引地に磨出風銀砂子(銀粉)をぼかし状に施し、部分的に大中小の金銀切箔を散らしたもの。やや黒い部分は銀焼けです。
かなり見辛いですが、ご了承下さい。


    表紙 藍紙本万葉集(藍紙万葉集)古筆臨書 巻子本 『藍紙本万葉集』 箱書きと裏面 箱書き
藍紙万葉集
(傳公任筆)

現在では
ふぢはらこれふさひつ
藤原伊房筆


紙背に黒く見える点々は
銀砂子(銀揉み箔)です。
 巻子本 藍紙本万葉集             縦26.6cmx横47.6cm                      第二紙背

浅葱色の地色に銀砂子(銀揉み箔)を全体にパラパラと散らした銀彩料紙の長巻で作られた物。                         


全紙に銀砂子が施されています。裏面黒く点々に見えているのが銀砂子です。もちろん表面にも施されております。傳公任筆となっておりますが、おそらくは古筆名葉集からの物です(現在では藤原伊房筆)。
箱は木釘使用の桐箱(指物)
 
 表紙 藍紙本万葉集(萬葉集巻第九)古筆臨書 巻子本 『藍紙本万葉集』 表紙  萬葉集巻第九
巻子本 藍紙本万葉集             縦26.6cmx長さ1129cm       黄茶色緞子表紙

緞子の柄はベージュ色で牡丹唐草、題箋は浅葱色(水グレー)の具引唐紙(小唐草)で布目入。

 
 表紙 藍紙本万葉集(萬葉集巻第九)
古筆臨書 巻子本 『藍紙本万葉集』 表紙 古筆臨書 巻子本 『藍紙本万葉集』 緞子表紙
 萬葉集巻第九
 巻子本 藍紙本万葉集             縦26.6cmx長さ1129cm       黄茶色緞子表紙