寸松庵(寸松庵色紙・古今和歌集抄本) 巻五・秋下
具引唐紙『花襷紋』(薄渋黄土色)「花見つつ」 田中親美氏作模写本
こちらの寸松庵色紙は明治末期の初版複製本では間に合わず、大正初期に増版されたもの。
歌を右に寄せて左側の空間を大きくとっている。当初この部分には次の歌を書くつもりであったのかもしれず、左下側には文字を消して修正した様な跡が見受けられる。継色紙のように項を渡って書くことも予定していたのであろうか。それとも、ここには元々歌が書かれていて後世の人が歌の途中で途切れているのを嫌って、一枚の茶掛けとして美しく見せる為に余分な文字を消し去ったものであろうか。
かな 水色文字は使用時母