寸松庵(寸松庵色紙・古今和歌集抄本) 巻五・秋上      戻る 寸松庵色紙 一覧へ
 具引唐紙『花襷紋』(薄渋黄土色)「秋の夜は」 田中親美氏作模写本

こちらの寸松庵色紙は明治末期の初版複製本では間に合わず、大正初期に増版されたもの。
上段6行目「むし」を「つゆ」と間違えて見せ消ちを行ったため、一行余分になり下段二行に散らしたものか。本来「つゆ」の部分に正しく「むし」が来ていれば、最後7行目で「のわぶれば」の五文字が上手くここに収まって綺麗な散らしになっていたのではと思われるが、さて皆さんは如何思われるだろうか。




                かな                                水色文字は使用時母

寸松庵色紙 秋上 『秋の夜は』 (薄渋黄土色) 拡大
12.8cmx13.5cm

  秋の夜は
   つゆこそ
     ことに

  わびしけれ
  くさむら ご
     
   のわぶれ
   とに つゆ      ば
     む し

      
使用時母

   秋乃夜盤
    川由己曾
       己止仁

   和悲之个礼
   久佐武良 己
        
    乃和不礼
     東爾 川由       盤
        武 之



                           (詠人不知)
199
 秋の夜は露こそ殊に侘しけれ、草むら毎に虫の侘ぶれば。

秋の夜は(涙を置くようで)露こそ殊に物悲しいものです、草むらのあちこちで虫の音も悲しんでいる様に聞こえてきますから。





                   
うりからくさ
薄渋黄土色具引唐紙・白雲母『瓜唐草』(相生唐草・全面)

 漢字の意味の通じるものは漢字で表記
 一行は一行に、繰返しは仮名で表記









写真では確認し辛いが、瓜唐草が施されている。

薄渋黄土色;黄、黄茶、薄茶とすることも。
 右の写真はこの箇所に該当する清書用臨書用紙(左が上製)
これまでの清書用には入れられていない柄 (上製のみ)
(普通清書用では薄渋黄土色柄無の物を利用してください、右側)
      上製       普通清書用
    寸松庵色紙 具剥奪唐紙(薄渋黄土色)『瓜唐草』 清書用 臨書用紙(上製) 拡大へ 寸松庵色紙 具剥奪紙(薄渋黄土色) 清書用 臨書用紙 拡大へ
清書用 薄渋黄土色具剥奪唐紙・『瓜唐草』

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