装飾料紙 波柄手打 金銀砂絵『筏下り』        戻る 装飾料紙(波柄手打) 一覧へ
 全懐紙(1尺2寸×1尺6寸5分) 

 雁皮製 ウスイ具引 3色上下波ぼかし 波柄手打
               金銀砂子切箔ノゲ振 金銀砂絵

淡目に施した3色のぼかしは、上下隅に波打った様にぼかしを入れ、その内側部分に別の色で3ヶ所のぼかしを入れております。白雲母を使って一面に波の柄を摺出し緩やかに水の流れてゆく様子を表現した装飾料紙です。その流れの中の一部に金銀砂子で光琳柄を表現した砂絵の加工をした料紙です。雁皮を使い薄具を使用して今銀の砂子切箔ノゲ振りも行っております。
全体的に淡目のトーンにして、朧げな雰囲気を醸し出してみました。ウス具引きですので、染の物に比べて若干筆の抵抗が感じられるように仕上げてあります。

箔や砂子の上にも墨が乗るように加工してあります。清書用加工を施しておりますので、運筆、墨の使い方等の表現方法も行い易くなっております。
 


狐色+オード色+ベージュ色

写真をクリックすると部分拡大が御覧に為れます。
3色上下波ボカシ 波柄手打 『筏下り』 部分拡大へ
3色上下波ぼかしの部分に金銀砂子切箔ノゲ振りの加工を行っております。白雲母の波柄摺りでほんのりと微かに光沢のある川の流れの様な水面のきらめきを表現しております。内側の3ヶ所のぼかしの付近に金銀の砂子で波模様をぼかし状にほんのりと浮上がらせた加工を施しております。実際の見え具合は手に取ると雲母摺りの光沢と砂子切箔の煌きが感じられてもう少しハッキリと見える様に為ります。

全懐紙

3色上下波ボカシ 波柄手打 『筏下り』 右上部分拡大 陰での様子3色上下波ボカシ 波柄手打 『筏下り』 右上側萱部分拡大 光を当てた状態
右上部分  波柄手打 金銀砂絵『萱と大波』           狐色+黄土色+ベージュ色

枯葉色の萱の茎と上側の葉には金砂子を、下側には青金砂子、花穂には銀砂子を施しております。
白雲母で全体に大波の柄を施して少し荒れた水面を表現したものです。
ぼかし部分には絵柄とは別に粗い銀砂子(銀小石)を撒くことで水しぶきの様子も表現してみました。
写真は作ってまだ間の無い時の料紙の為、紙面にやや凸凹が写っております。

3色上下波ボカシ 波柄手打 『筏下り』 左下側部分拡大 光を受けての様子
左下側部分  波柄手打 金銀砂絵『筏と大波』           狐色+黄土色+ベージュ色

筏の川下りと渦の波の様子です。
枯葉色の萱の茎と上側の葉には金砂子を、下側には青金砂子、花穂には銀砂子を施しております。
白雲母で全体に大波の柄を施して少し荒れた水面を表現したものです。
渦の波部分には銀砂子でぼかし状に柄を浮出させております。

 


3色上下波ボカシ 波柄手打 『筏下り』 右上側波部分拡大 光を当てた様子
右上側波部分  波柄手打 金銀砂絵『大波』            狐色+黄土色+ベージュ色

金銀砂子のグラデーションの様子をご覧ください、光を当てた状態です。周りの波柄は白雲母が施してあります。左側大半が銀砂子、右側少々が金砂子です。斜めからの撮影です。柄の変形はご勘弁下さい。

ぼかし部分の波頭を金銀砂子で浮き上がらせ、周りの波の部分にかけて砂子の量を減らして描くことでボカシ風の柄出しにしたものです。また、渦波の方には銀と金とでグラデーションをつけておりますが、光が強すぎて輝く色の違いが僅かしか表現できておりません。申し訳御座いませんが、想像を働かせてご覧になって下さい。ぼかし部分には絵柄とは別に粗い銀砂子(銀小石)を撒くことで水しぶきの様子も表現してみました。
 


 3色上下波ボカシ 波柄手打 左上側波ぼかし部分拡大 陰での様子
 左上側部分  波柄手打 金銀砂絵『大波』            狐色+黄土色+ベージュ色

金銀砂子切箔ノゲ振りの陰での様子をご覧ください。ご心配なく!
陰の為雲母の照りも金砂子のきらめきも感じられませんが手に取ると雲母の艶と金銀の輝きが感じられます。