雁皮24-4 三色上下波ぼかし波柄手打Ⅱ（雪の華）

装飾料紙　波柄手打Ⅱ　金銀砂絵『雪の華』　　　　　　　　
　全懐紙（1尺２寸×1尺６寸５分)　

　雁皮製　ｳｽｲ具引　３色上下波ぼかし　波柄手打
　　　　　　　　　　　　　　　金銀砂子切箔ﾉｹﾞ振　2色銀砂絵

淡目に施した３色のぼかしは、上下隅に波打った様にぼかしを入れ、その内側部分に別の色で3ヶ所のぼかしを入れております。白雲母を使って一面に波の柄を摺出し緩やかに水の流れてゆく様子を表現した装飾料紙です。その流れの中の一部に金銀砂子で光琳柄を表現した砂絵の加工をした料紙です。雁皮を使い薄具を使用して今銀の砂子切箔ﾉｹﾞ振りも行っております。
全体的に淡目のトーンにして、朧げな雰囲気を醸し出してみました。ｳｽ具引きですので、染の物に比べて若干筆の抵抗が感じられるように仕上げてあります。

箔や砂子の上にも墨が乗るように加工してあります。清書用加工を施しておりますので、運筆、墨の使い方等の表現方法も行い易くなっております。　

灰汁色＋明ｸﾞﾚｰ色＋銀ﾈｽﾞﾐ色

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３色上下波ぼかしの部分に金銀砂子切箔ﾉｹﾞ振りの加工を行っております。白雲母の波柄摺りでほんのりと微かに光沢のある川の流れの様な水面のきらめきを表現しております。内側の３ヶ所のぼかしの付近に金銀の砂子で波模様をぼかし状にほんのりと浮上がらせた加工を施しております｡実際の見え具合は手に取ると雲母摺りの光沢と砂子切箔の煌きが感じられてもう少し綺麗に見える様に為ります。

全懐紙

右上部分　　波柄手打　金銀砂絵『雪の華』　　　　　　　　　　　灰汁色＋明ｸﾞﾚｰ色＋銀ﾈｽﾞﾐ色

こちらは水面の波部分を金銀砂子で浮き上がらせることをせず、雪の結晶を浮き上がらせるように強調したものです。波の部分には絵柄とは別に粗い銀砂子（銀小石）を撒くことで降る雪の遠近感も表現してみました。
水面に落ちる雪を2色の銀砂子で彩りしたものです。角度によって、柄の見え方が変わるように細工をしています。

右上部分　　波柄手打　金銀砂絵『雪の華』　　　　　　　　　　　灰汁色＋明ｸﾞﾚｰ色＋銀ﾈｽﾞﾐ色

蔭での状態です。光を反射していないので判り辛いですが、周りの波柄は白雲母が施してあります。
雪の結晶の陰での様子をご覧ください。光の当たって居る時とは別の柄も見えてきます。ご心配なく！
陰の為雲母の照りも銀砂子のきらめきも感じられませんが手に取ると雲母の艶と銀の輝きが感じられます。

左下側部分　　波柄手打　金銀砂絵『雪の華』　　　　　　　　　　灰汁色＋明ｸﾞﾚｰ色＋銀ﾈｽﾞﾐ色

銀砂子砂絵風柄出しの弱い光の下での様子をご覧ください。
雪の結晶の柄は銀型打ち、上側部分には銀砂子がぼかし状に施してあり柔らかな光を放ちます。
ご心配なく！
弱い光の為雲母の照りも銀砂子のきらめきも少ししか感じられませんが、手に取ると雲母の艶と銀の輝きが感じられます。