装飾料紙 全面金銀青金砂子磨出 『小丸獅子唐草』若紫色        戻る 装飾料紙(全面金銀青金砂子磨出) 一覧へ
 全懐紙(1尺2寸×1尺6寸5分) 

 三椏入雁皮製 ウスイ具引 全体ぼかし 全面小玉磨出 金銀青金中小切箔振 花鳥折枝金型打 

若紫は明るい紫色で、その昔染色が草木染であった頃には明るい紫は望むべくもなく、染色は渋い鈍色であったので、明るい紫色は当時の人の憧れでもあったのです。光源氏の妻の紫の上の幼少時代の呼び名が若紫であり、穢れの無いイメージはそこからも感じられます。
小丸獅子唐草は丸獅子唐草の丸紋獅子が小さくなったものです。獅子とはライオンの事で、古来日本では猪や鹿などの食用獣をシシと呼んできたので区別の為、唐獅子とも呼んでいました。獅子は王や仏の間では守護動物として崇められ、日本に伝えられた獅子の図案は栄華繁栄の象徴として、平安の世では大いに珍重され料紙の図柄として多く残されております。
濃色の地色に全体ぼかしを入れ、金銀青金の砂子で画面全体に無数に浮雲風の粉状小玉砂子を施して磨出しを行っております。金銀青金の三色の砂子を使って一面に唐草柄を摺出し穏かに珠の煌めいてゆく様子を表現した装飾料紙です。箔や砂子の上にも墨が乗るように加工してあります。清書用加工を施しておりますので、運筆、墨の使い方等の表現方法も行い易くなっております。
 


若紫色

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中濃色全体ぼかし(若紫色) 金銀青金砂子磨出 『小丸獅子唐草』 部分拡大へ
中濃色染全体ぼかしの全面に銀砂子を主体とした浮雲風の金銀青金砂子の磨出し加工を行っており、砂子の量を調節することで唐草柄の周りが霞んで消えて行く様な状態を表現しております。全体ぼかし風に鏤めた金銀青金中小切箔がアクセントと成っております。また全体に散らした金色の花鳥折枝が平安王朝の料紙の雰囲気を醸し出しております。実際の見え具合は手に取ると全体的に煌びやかな輝きが感じられてもう少し良く見えるように為ります。

全懐紙

中濃色全体ぼかし(若紫色) 金銀青金砂子磨出 『小丸獅子唐草』 左上側部分拡大  左上側部分


金銀青金砂子磨出『小丸獅子唐草』
左上側部分  金銀青金砂子磨出『小丸獅子唐草』 金銀青金中小切箔振        若紫色

金銀砂子の中に抱鶴唐草の柄を浮き上がらせ、周りの地色の部分にかけて砂子の量を減らして描くことでボカシ風の柄出しにしたものです。灰色の柄の部分にも光が当たれば輝いて見えます。青空に浮かぶ雲の様子も表現してみました。
 
 中濃色全体ぼかし(若紫色) 金銀青金砂子磨出 『小丸獅子唐草』 左上部分拡大  右上側部分


金銀青金砂子磨出『小丸獅子唐草』
 右上側部分  金銀青金砂子磨出『小丸獅子唐草』 金銀青金中小切箔振        若紫色

金銀青金砂子の中に抱鶴唐草の柄を浮き上がらせ、周りの地色の部分にかけて砂子の量を減らして描くことでボカシ風の柄出しにしたものです。灰色の柄の部分にも光が当たれば輝いて見えます。青空に浮かぶ雲の様子も表現してみました。
 

中濃色全体ぼかし(若紫色) 金銀青金砂子磨出 『小丸獅子唐草』 左下側部分拡大  左下側部分


金銀青金砂子磨出『小丸獅子唐草』
左下側部分  金銀青金砂子磨出『小丸獅子唐草』 金銀青金中小切箔振        若紫色

左下側半分は金銀砂子の陰での様子になります。上端中央付近の砂子は青金砂子、左下側の鈍い色に見える二つの塊が金砂子で、何れにも磨出しが施してあります。ご心配なく、光が当たれば右上隅の銀砂子の柄の様に輝いて見えます。左側の鈍いグレーに見える花鳥折枝も金色に輝いて見えます。 
 
 中濃色全体ぼかし(若紫色) 金銀青金砂子磨出 『小丸獅子唐草』 右下側部分拡大  右上側部分


金銀青金砂子磨出『小丸獅子唐草』
 右下側部分  金銀青金砂子磨出『小丸獅子唐草』 金銀青金中小切箔振        若紫色

右下側は金銀砂子の弱い光での様子になります。左上隅と中央付近やや右寄りの砂子は金砂子(少し銀砂子を混合しています)、後は銀砂子で、何れにも磨出しが施してあります。ご心配なく、光が当たれば輝いて見えます。右側の鈍いグレーに見える花鳥折枝も金色に輝いて見えます。 
 


中濃色全体ぼかし(若紫色) 金銀青金砂子磨出 『小丸獅子唐草』 中央付近拡大 光を当てた様子 中央部分


金銀青金砂子磨出『小丸獅子唐草』
 
中央部分  金銀青金砂子磨出『小丸獅子唐草』 金銀青金中小切箔振       若紫色

金銀青金砂子磨出しの光を当てた状態での金銀の輝く様子をご覧ください。磨出した柄と花鳥折枝が金銀に輝いているのがお判りいただけると思います。ご心配なく!
周りの陰の部分でも光が当たれば金銀の輝きが感じられます。