継色紙 (4寸4分2厘×8寸8分4厘)
古今和歌集 粘葉本 染紙(両面加工)田中親美氏の模写本
料紙一葉を使い、一葉の左半分(左項)若しくは右半分(右項)に歌一首を納めた様式のもの。
同様式の歌が2首存在しております。
濃紺色(のうこん) 13.4cmx26.8cm |
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歌一首(右項) 水色文字は使用字母 ゆきふれば 木ごとに花 ぞさきにける いづれを 梅とわきて をらまし (紀 友則) 由支不禮盤 木己と爾花 所さ支二ける いつ禮乎 梅とわ幾弖 をら末し 古今集(巻六;冬) には、”雪のふりけるを見てよめる”とありますが、散しの美を求めたのでありましょうか?歌のみの書写となっております。処が、昭和中期実際に書写されているのは下の写真です。 昭和初期の模写本も明治末期模写本(田中親美氏監修)も下の写真と同じ位置にあります。 濃紺色。少し灰色がかった紺色の為、燻し紺の様にも見えます。 |
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昭和中期の模写本
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歌一首(右項) 水色文字は使用字母 ゆきふれば 木ごとに花 ぞさきにける いづれを 梅とわきて をらまし (紀 友則) 由支不禮盤 木己止爾花 所左支二計留 以川禮乎 梅止和幾弖 遠良末之 書を見やすくする為にやや明るめに写していますので薄紺の様にも見えます。なぜか歌の位置が左に移されてます。 |
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「雪降れば木毎に花ぞ咲きにける 何れを梅と分きて折らまし」 現代語訳 雪が降るので木という木に白い花が咲いたことよ、どの枝を梅の花だと見分けて折取ったものかなあ。 解釈 雪が降るのであの木にもこの木にも白い花が咲いたことよ、どの枝を梅の花だと区別して折取ったものか迷ってしまうものだなあ。 実際に分からないのではなく、「木」と「毎」を合わせると漢字の「梅」に成る。ある種の文字遊びで、離合詩と云われる漢詩の技法に倣ったもの。しゃれっ気たっぷりに詠んだ歌。 にける;…てしまったことだ。…ていたのだった。完了の助動詞「ぬ」の連用形「に」に過去の助動詞「けり」が係助詞「ぞ」を受けて連体形「ける」になったもので、何かに気づいたことや詠嘆を表す。 まし;…たものだろう。…たら良いだろうか。「何れを…まし」疑問の意を表す語とともに用いて、決断しかねる意を表す。 ページ |