清書用 臨書用紙

十五番歌合せ 抜粋 昭和7年模写巻子本
写真では料紙の違いを主体に切り取っていますので、右の歌と左の歌とは歌合せにはなっておりません。ご了承下さい。
歌合せの歌詞については
こちらをご覧ください。

巻子本 『十五番歌合』 (九番) 
昭和7年模写-料紙は具剥奪唐紙 


                                             水色文字は使用字母 黄色文字は次項に有                  現代語訳

巻子本 『十五番歌合』 (十番) 部分 九番          惟則  

美與之乃々 也末能之良由幾 川裳留良之
      不留佐止散無久 奈里末左流奈里

   御吉野の 山のしら雪 積もるらし   
       ふるさと寒く なりまさるなり

                    
          元真

東之己止乃 者留乃和可禮遠 安者禮止毛
      比止ニ於久流々 悲登曾之利介留


   年ごとの 春の別れを あはれとも   
       人におくるゝ 人ぞ知りける


十番         仲文 

安里阿介乃 徒幾乃比加李遠 末徒保登耳
         和可與能以多久 布計爾計留可那
    ありあけの 月の光を 待つほどに   
       
我よのいたく 更けにけるかな


   惟則

吉野山に白雪が降り積もるようですよ、麓の里ではいよいよ寒さが増してくるのでしょうね。


   元真

年毎の春の別れをしみじみと深く心を惹かれるように感じようとも、去り行く人に対して惜しみながら見送る人だけが経験できる感情なのですよ。


   仲文

夜明け時の月の姿を待っている間に、私の代は随分と盛りを過ぎててしまったものよ。
仲文(藤原仲文)
惟則(坂上惟則)・元真(藤原元真)
御吉野;吉野の美称。歌枕。応神天皇・雄略天皇の離宮の在った地。桜と雪とで有名な古都。 


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