公忠集第四紙料紙、ギラ(雲母)引唐紙『逆波紋』の部分の清書用臨書用紙になります。逆波紋は波を図案化した柄の中では波頭がやや大きくなっており、波の線がほぼ平衡で小幅な小波紋の柄と比べて狭い広いの幅のある波線となっておりよりうねりの感じられる大波の柄になります。その大波の波頭が逆さになるように使用されているので逆波紋と呼ばれ、蔓草が無く色々な向きの波柄だけが繋がっているので、唐草柄とは異なり紋と呼んでおります。紋を摺り出した料紙も唐草を摺り出した料紙も共に唐紙と呼びます。こちらも全体的に柄としてはすっきりとしているので圧迫感も感じられませんので墨を乗せ易いから紙と成ります。公忠集そのものには裏面にも歌が書かれておりますが、表面のみの加工ですので表面のみの使用と御承知おきください。裏面にも墨入れをすることは可能ですが、裏面を使用するには力量が必要となります。裏面の歌の臨書をご希望の場合には具引唐紙『獅子唐草』(花鳥折枝)又は同じ柄、若しくは白具引(花鳥折枝)をご用意ください。
書手本
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ギラ引唐紙(薄茶母引地胡粉柄) 『逆波紋』(公忠集)書手本 縦6寸7分、横1尺5分5厘 第四紙 歌番号は公忠集での通し番号 青色文字は使用字母 解釈(現代語訳)へ
「爾」は「尓」とすることも。 「與」は「与」とすることも。( )内は前項及び次項にあり 現代語訳 解釈 解説及び使用字母へ
少将;左右近衛府の次官で中将の次位に当たる将校。 そくたい 束帯;平安時代以降で朝廷の公事の際に天皇以下文武百官が着用した男子の正式の装束。 かんむり ほう はんぴ したがさね あこめ ひとえ うえのはかま しゃく くつ 冠・袍・半臂・下襲・衵・単・表の袴・大口・石帯・笏・沓などで装う。 せきたい そくたい ほう かくたい こくしつかく さいかく ろうせき 石帯;束帯の時の袍の腰を束ねる革帯(革製の帯)の事で、黒漆革に玉や犀角あるいは蝋石等で飾り、透紋や彫刻の有る有文の物と装飾の無い無文の物とがある。それぞれ官位の上下や儀式の軽重によって着用を別にしていた。「いしのおび」、玉帯「ごくのおび」とも。 さいかく 犀角;犀の角。邪気を払い毒を消すなどの霊力を持つとされていて、円形や角形に切って帯の飾りとしたり魔除けの他、細工物などに用いられた。 ろうせき 蝋石;油のような光沢とすべすべした石蝋の様な触感の有る岩石や鉱物の総称。非結晶で緻密な塊状の石。淡緑・淡黄・灰白色など。 37 「春の陽の長閑けき浦を漕ぐ舟は、水底さへぞ静かなりける」 春の陽の当たる長閑な日に静で穏かな入江を漕ぎ行く舟は、水の底までもが静で穏かであったという事ですよ。 ページ ![]() ![]() ![]() |