躬恒集・ギラ引唐紙（花唐草）ー三十六人集ー

　　三十六人集（西本願寺本）
躬恒集　ｷﾞﾗ引唐紙『花唐草』（清書用臨書用紙）　　　　　　　　　

	地を金雲母でｷﾞﾗ引し、唐草柄が色胡粉で施されている為全体的にぎらぎら感が強い様に感じられていますが、何方の上にも墨が乗るように加工が施されておりますので、安心してお使いいただけます。参考写真です唐紙料紙の書手本拡大へ使用字母及び解説へ
花唐草・ギラ引唐紙（躬恒集）・（半懐紙）白色ギラ(白雲母=無色透明雲母)引きに黄土色つや消し唐草（現物はギラ引唐紙ですが、写真は通常の具引唐紙で代用品です。）	裏面料紙へ
	写真は代用品です。極薄黄茶色具引に白雲母で柄刷りしたもの実物は白雲母でギラ引花唐草の柄を黄土色の胡粉で柄刷りしたもの
花唐草・ギラ引唐紙（躬恒集）花鳥折枝金銀袷型打白色ギラ引きにつや消し唐草（現物はギラ引唐紙ですが、写真は通常の具引唐紙の代用品です。）
裏面用料紙（表面加工のみ）	原本の第六紙の裏面は具引唐紙丸獅子唐草。（二重丸紋獅子唐草）写真クリックで表面料紙へ裏面の書手本は只今準備中です
丸獅子唐草・具引唐紙（躬恒集）花鳥折枝金銀袷型打白色具引に白雲母で艶出し唐草(第六紙『花唐草』の裏面用料紙) （本清書用臨書用紙は表面加工のみです）

　書手本

使用字母
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ｷﾞﾗ引唐紙（白雲母引地淡黄土色胡粉柄）『花唐草』（躬恒集）書手本　縦6寸7分、横1尺5分5厘
第六紙（表面、裏面が丸獅子唐草）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

歌番号は躬恒集での通し番号　　　　　　　　　　　　　　青色文字は使用字母

　　　あき
60
　あきのよのおぼろにみゆる月よりは、
　も〇ちのいろぞてりまさりける

61
　ひさかたのつきをさやけみも〇ぢばの、こさ
　もうすさもわきつべらなり

62
　つゆけくてわがころもではぬれねども、をり
　てをゆがむあきはぎの花

　　　七日
63　
　あき風はいつしかとのみまちしかど、
　あひてぬるよはただひとよなり

64
　夜とざしてぬるきみなればあまのがは、
　ゆふまぐれにもいざわたりなむ

　　　九日
65
　おいは身のからきものなりけふはしも、ぬれて
　もぬれむきくのしらつゆ

　　　あき
66
　うちはへてやすきいもねずきりぎりす、
　あきのよなよななきわたるらむ

　　　やまこえ
67
　ともにわれかへるやまぢのもみぢばの、おのがち
　りぢりわかるべらなり

　　　安起
60
　安支乃與乃於保呂爾美由留月與利盤、
　裳□知乃以路曾天利満左利个留

61
　比左可多乃川支遠左也遣美毛□知者乃、己左
　毛宇須左毛和支川部良那利

62
　徒由个久天和可己呂毛天盤奴礼禰止毛、遠利
　天遠由可武安支盤支乃花

　　　七日
63
　安支風盤以川之可止乃美万知之可止、
　安比天奴留與盤堂々比止與難利

64
　夜止散之天奴留支身奈礼盤安万乃可盤、
　由婦万久礼仁母以左和多利奈無

　　　九日
65
　於以盤身能可良支毛乃那利計不盤之裳、奴礼弖
　母奴礼武幾久乃之良徒由

　　　安支

66
　宇知者部弖也須支以毛年春支利々々寸、
　安支乃與那々々々支和多留良無

　　　也万己盈
67
　止毛爾和礼加部留也万知乃毛美知盤乃、於乃可知
　利々々和可留部良那利

「个」は「介」とすることも。　○・□は脱字と思われる部分、〇は「み」□は「美」の抜け落ちか。
「爾」は「尓」とすることも。
「弖」は「天」とすることも。
「與」は「与」とすることも。

60
秋の夜の朧に見ゆる月よりは、紅葉の色こそが（紅葉して）より美しく照り輝いて見えるものだそうですよ。

ける；助動詞「けり」。活用語の連用形に付き、人から聞いたりして知っていた事を思い起こして言う意を表す。

照；紅葉して美しく照り輝く事。また、紅葉した草木の葉を照葉（秋の季語）と云う。

61
久し振りに月のはっきりと見える夜は、紅葉の葉の（色付きの）濃いも薄いも分別が付けられますね。

べらなり；当然の意の助動詞「べし」に推量を表す助動詞「なり」の接続したもの。・・する様子だ。・・・らしい。平安時代にのみ見られる用法。

62
露に濡れて湿っぽくて私の衣の袖は濡れてしまったけれども、（露で）しなっていたのが少し歪んで（見えて）しまった秋萩の花だことよ。

露けく；露に濡れてしまって湿っぽく。和歌では涙がちであることの意を込めて歌うことが多い。
をゆが
小歪む；「小」は少しの意。少し歪む。

63
秋風が吹いて来るのは何時頃になるのだろうかとだけ（恐る恐る）待っていましたが、逢って共に寝られる夜は（やはり）唯一夜限りなのですね。
（秋風は和歌では、度々「飽き」に掛けて男女の愛情の冷めてしまうことに例える。）

64
夜には門戸を閉ざして眠る貴方であれば天の川は、夕方の薄暗い時にでも、さあ！渡りましょうぞ。

65
老いることは体にとって辛いものである、今日は霜、（今日こそは、冷たくて）濡れ手も濡れるだろうが菊に宿る白露を手ですくって飲むとしよう。（菊の露を飲むと長生きをする事が出来ると云われていた俗信。「霜」は強調の助詞「しも」と掛けている。）

66
ずっといつまでも続いて安らかに眠ることもせず、（どうして）キリギリスは秋の夜長を夜な夜な鳴き通すのだろう。

い　ね
寝も寝ず；寝もしない。眠りもしない。

67
共に私と一緒に帰る山路の（道すがらに）紅葉の葉の散る様に、それぞれ（の家に）散り散りに分かれて帰って行けるそうだ。

「我」は共に割れて散り散りになる「割れ」に掛けている。

べらなり；助詞。…らしい。（平安時代にのみ見られる用法で確定推量の助動詞「べし」の語幹に接尾語「ら」が接し更に伝聞推量の助動詞「なり」の接続したもの）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ージ

	地を金雲母でｷﾞﾗ引し、唐草柄が色胡粉で施されている為全体的にぎらぎら感が強い様に感じられていますが、何方の上にも墨が乗るように加工が施されておりますので、安心してお使いいただけます。参考写真です唐紙料紙の書手本拡大へ使用字母及び解説へ
花唐草・ギラ引唐紙（躬恒集）・（半懐紙）白色ギラ(白雲母=無色透明雲母)引きに黄土色つや消し唐草（現物はギラ引唐紙ですが、写真は通常の具引唐紙で代用品です。）	裏面料紙へ
	写真は代用品です。極薄黄茶色具引に白雲母で柄刷りしたもの実物は白雲母でギラ引花唐草の柄を黄土色の胡粉で柄刷りしたもの
花唐草・ギラ引唐紙（躬恒集）花鳥折枝金銀袷型打白色ギラ引きにつや消し唐草（現物はギラ引唐紙ですが、写真は通常の具引唐紙の代用品です。）
裏面用料紙（表面加工のみ）	原本の第六紙の裏面は具引唐紙丸獅子唐草。（二重丸紋獅子唐草）写真クリックで表面料紙へ裏面の書手本は只今準備中です
丸獅子唐草・具引唐紙（躬恒集）花鳥折枝金銀袷型打白色具引に白雲母で艶出し唐草(第六紙『花唐草』の裏面用料紙) （本清書用臨書用紙は表面加工のみです）