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破り継 『天の川(二又)』(赤人集)・(半懐紙) 文人松を配した松原に千鳥が舞っています。 二つの流れが合流する地点《逢瀬》を現しております。 |
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判り辛いですが、川岸に銀泥で降積もった雪が描かれております。春が待ち遠しい様子が感じとって頂けますでしょうか |
破り継 『天の川(二又)』(赤人集)中洲部分 松も千鳥も銀型打ちです。 向こうの瀬には、騒めく白波を岸には降積った雪を表現しているのが お解り頂けますでしょうか。 |
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破り継 『天の川(二又)』(赤人集)書手本 縦6寸7分、横1尺5分5厘 第十四紙 歌番号は赤人集での通し番号 青色文字は使用字母
山部赤人;三十六歌仙の一人で、奈良初期の万葉歌人。柿本人麻呂とともに歌聖と称されおり、自然を詠んだ歌が多い。また、下級官吏として仕えていたらしく、行幸供奉に関するものも多い。 116 春の野に漁る雉子の妻恋に、己が在処を人に知られつつ。(万葉集巻第八、大伴宿祢家持) 春の野で餌を探し求めている雉が妻を慕って、自分の居場所を人に知られ知られしながら鳴いていることだこと。 きぎす きじ 雉子;雉の古称。 はるぞうか あきぞうか 歌117から後ろは万葉集巻第十からの採歌。春雑歌〜秋雑歌(七夕九十八首まで) 117 (高天原から降って来たと云う)天の端山(万葉集では天の香具山)に今宵は霞がたなびいて、ああ春になったのだなあと時日を過ごしていることよ。 118 春はもう直ぐ其処まで訪れておりますよ、続いて泣きじゃくる鶯の声が聞こえてくるでしょうよ。 梓弓;「はる」を導き出すための枕詞で訳さない。 119 春は遠ざかって終わりになろうかと云うのに、空は曇りあって(霧や霞で曇って)何時までも雪は降り続いていることよ。 打ち靡く;「はる」を導き出す枕詞。「打ち靡き」とあることから或は意味を持たせて「引き寄せられて」としたものか?。 空曇遇ひ;万葉集では「天雲霧らひ」となっており、意図的に変更したともとれる。 120 梅の花 咲き散り過ぎぬ しかすがに、白雪庭に ふりしきにつつ。 梅の花が咲きもう既に散り去ってしまったよ、そうは言うものの(春遠くまだまだ)白雪は我が家の庭に頻りに降り続いていることよ。 121 も こ 纏向が檜原に立てる春霞、おほにし思はばなづみ来めやも。 纏向の檜原に湧き立つ春霞よ、覆い隠してしまえと思われたならば悩み苦しんでまで来たであろうか。いや来ないであろう。 まきむく 纏向;「まきもく」とも。奈良県桜井市の奈良盆地一帯に広がる3〜4世紀の集落跡地。垂仁天皇・景行天皇の皇居があった地域。特殊な文様を持つ円盤状の木製祭具が出土し、山陰・山陽・東海などの各地の土器もあり、前方後円墳や箸墓古墳もあることから初期大和政権の中心地ではとみられている。 真木(槙)木;真木は杉の古称。槙は犬槙、高野槙、羅漢槙などの総称。これらの針葉樹のことか。吉野杉の鎮守の森のことか。 ひばら 檜原;檜の茂った所 |