大字朗詠集切(大字和漢朗詠集切)和漢朗詠集 巻下 酒  戻る 大字朗詠集切 一覧へ
    本鳥の子紙(薄茶色)5寸5分×8寸2分
字粒が他の和漢朗詠集の物よりも大きく書かれており、字間・行間も大らかである。表面は高野切同様の加工で染の雲母振り。
料紙は雲母振りの染紙。


薄黄茶色

『大字朗詠』 大字和漢朗詠集切 断簡 
16.3cmx25.2cm
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。



         漢詩・かな                                
水色文字は使用時母

481
 臨風杪秋樹、對酒長年人、酔貌如

 葉雖紅不是春


482
 生計
來詩是葉、家園忘却酒爲

 郷 


483
 茶能散悶爲功淺、萱道忘憂得力

 遅。



   


        べう しう        むか
 
風に臨める杪秋の樹、酒に對へる長年の人、
   
かたち        くれなゐ   いえど
 酔の貌霜葉のごとし、紅なりと雖も是春ならず
                        
白楽天
    
なげう  きた     これえふ      
 生計ち來りて詩是葉なり、家園忘却して酒
 
きょう
 郷たり 
白楽天

    
 いきどおり  さん     
 茶は能く悶を散ずれども功を爲すこと淺し、
 
くゑん
 萱は憂を忘るといへども力得ること遅し。
                        
白楽天







葉;言の葉のことか。ことば、文字を書いた紙片。


歌482、他の和漢朗詠集では
生計ち來りて詩是なり、家園忘却して酒郷たり

業;その行為が未来の結果を導く働きのこと。
暮らしの手立て、生業(なりわい)。














漢字の意味の通じるものは漢字で表記
一行は一行に、繰返しは仮名で表記

びょうしゅう  
杪秋;秋の末、暮秋。「杪」は末の意味。

そうよう
霜葉;霜に当って紅葉した葉。

家園;我が家。庭を含めた一帯を指す我が家のこと。

郷;さと。ふるさと。


かん

;萱草のこと。中国原産のユリ科の多年草、ユリに似た大きな橙色の花をつける。1つの花は1日でしぼむ。忘れ草。










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