大字朗詠集切(大字和漢朗詠集切)和漢朗詠集 巻上 鹿  戻る 大字朗詠集切 一覧へ 
    本鳥の子紙(薄茶色)5寸4分5厘×7寸2分5厘
字粒が他の和漢朗詠集の物よりも大きく書かれており、字間・行間も大らかである。表面は高野切同様の加工で染の雲母振りだが、振ってある量はかなり多い。
料紙は雲母振りの染紙。


黄茶色

『大字朗詠集切』 大字和漢朗詠集 断簡 鹿-かな部分
17.3cmx25.7cm
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。


            かな                             使用時母

336
  もみぢせぬ ときはのやまに す

  むしかは、おのれなきてや あ

  きをしるらむ


337
  ゆふづくよ をぐらのやまに なく

  しかの、こえのうちにや あき

  はくるらむ 
貫之
 毛美知世奴 止支波乃也万爾 須

 武之可波、於乃礼奈支弖也 安

 支遠之流良無



 由不川久與 遠久良乃也末爾 奈久

 志可乃、己恵能宇知爾也 安支

 波久留良無 
貫之

 紅葉せぬ常盤の山に住む鹿は、己鳴きてや秋を知るらむ
                             (大中臣能宜)

 夕月夜小倉の山に鳴く鹿の、声の内にや秋は来るらむ
                                (紀貫之)

漢字の意味の通じるものは漢字で表記
一行は一行に、繰返しは仮名で表記

北村美術館蔵


鹿;季語は秋。秋になると牡鹿が女鹿を求めて鳴くからという。
紅葉の季節に鳴くので「紅葉鳥」とも。また、紅葉鍋はシカ肉の鍋料理。





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