大字朗詠集切(大字和漢朗詠集切)和漢朗詠集 巻下 僧  戻る 大字朗詠集切 一覧へ 
    本鳥の子紙(薄茶色)5寸5分×8寸2分
字粒が他の和漢朗詠集の物よりも大きく書かれており、字間・行間も大らかである。表面は高野切同様の加工で染の雲母振りだが、振ってある量はかなり多い。
料紙は雲母振りの染紙。


薄茶色

『大字朗詠』 大字和漢朗詠集切 断簡 
20.0cmx25.2cm
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。



         漢詩・かな                                
水色文字は使用時母

608
  觀空淨侶心懸月、送老高僧首

  剃霜 


609

  鶴閑翅刷
千年雪、僧老眉垂八字

  霜


610
  たらちねは かかれとてやしも

  むばたまの、わがしろかみを な

  でずやありけむ


   


  
くう くぁん  じゃうりょ
  空を觀ずる淨侶が心は月を懸たり、老を送る
      
こうべ        みなもとのしたごう
  高僧が首は霜を剃る。 
源順


  
つるしずか  つばさ      かいつく
  鶴閑にして翅千年の雪を刷ろふ、僧老て眉は

  八字の霜を垂れたり
。 
(源為憲)



  多良知禰者 可々禮止天也之毛

  武波多末乃、和可之呂加美遠 那

  天春也安利个無






垂乳根は斯かれとてやしも射干玉の、吾白髪を撫でずや在りけむ
                              (僧正遍照)







漢字の意味の通じるものは漢字で表記
一行は一行に、繰返しは仮名で表記

じょうりょ
淨侶;清らかな僧。

霜;白髪の譬喩。


かいつく                 つくろ
刷ろふ;翼の乱れを整える。掻いて繕う。

むばたまの;枕詞。通常は「黒髪」にかかるのだが
ここでは「白髪」


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