貫之集（下）第七紙　破り継　『左に白、右黄土』

　　　　三十六人集・断簡　石山切
貫之集（下）破り継『左に白、右黄土』（清書用臨書用紙）　　

破り継・切継　『左に白、右黄土』　花鳥折枝金銀袷型打　（第七紙用半懐紙）
通常の破り継料紙は具引唐紙台紙をベースに破り継が施されていますが、こちらの物は中央に濃い紫を挟んで、左右両側に異色の染紙が継口の様子を変えて配してあります。臨書用紙としての他、通常の装飾料紙としてもご利用頂けます。

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破り継・切継　『左に白、右黄土』　花鳥折枝金銀袷型打　（半懐紙）中央に濃い紫を挟んで、左右両側に異色の染紙が継口の様子を変えて配してあります。	装飾料紙　臨書用紙　半懐紙
装飾料紙　右上側部分	装飾料紙　右上側部分この部分の書手本へ
装飾料紙　右上側切継部分　花鳥折枝金銀袷型打　台紙・継紙共に金銀箔を散らした染紙です。こちらは鋭く画面を斜めに切り取っております。	装飾料紙　臨書用紙　半懐紙
装飾料紙　右下側部分	装飾料紙　右下側部分この部分の書手本へ
装飾料紙　右下側切継部分　花鳥折枝金銀袷型打　台紙・継紙共に金銀箔を散らした染紙です。こちらは鋭く画面を斜めに切り取っております。	装飾料紙　臨書用紙　半懐紙
装飾料紙　左上側部分	装飾料紙　左上側部分この部分の書手本へ
装飾料紙　左上側破り継部分　花鳥折枝金銀袷型打　　台紙は紫濃色で、本来の具引唐紙台紙は破り継ﾋﾟｰｽとして使用されております。不規則な雲状に画面が契りとられており、白い具引唐紙を濃い赤茶色で受けてあります。	装飾料紙　臨書用紙　半懐紙
装飾料紙　左下側部分	装飾料紙　左下側部分この部分の書手本へ
装飾料紙　左下側破り継部分　花鳥折枝金銀袷型打　　台紙は紫濃色で、本来の具引唐紙台紙は破り継ﾋﾟｰｽとして使用されております。不規則な雲状に画面が契りとられており、白い具引唐紙を濃い赤茶色で受けてあります。	装飾料紙　臨書用紙　半懐紙
書手本　右上側部分	書手本　右上側部分臨書用紙　右上側部分へ
書手本　右上側切継部分　花鳥折枝金銀袷型打　台紙・継紙共に金銀箔を散らした染紙です。こちらは鋭く画面を斜めに切り取っております。	装飾料紙　書手本　6寸7分×1尺6分
書手本　右下側部分	書手本　右下側部分臨書用紙　右下側部分へ
書手本　右下側切継部分　花鳥折枝金銀袷型打　台紙・継紙共に金銀箔を散らした染紙です。こちらは鋭く画面を斜めに切り取っております。	装飾料紙　書手本　6寸7分×1尺6分
書手本　左上側部分	書手本　左上側部分臨書用紙　左上側部分へ
書手本　左上側破り継部分　花鳥折枝金銀袷型打　　台紙は紫濃色で、本来の具引唐紙台紙は破り継ﾋﾟｰｽとして使用されております。不規則な雲状に画面が契りとられており、白い具引唐紙を濃い赤茶色で受けてあります。	装飾料紙　書手本　6寸7分×1尺6分
書手本　左下側部分	書手本　左下側部分臨書用紙　左下側部分へ
書手本　左下側破り継部分　花鳥折枝金銀袷型打　　台紙は紫濃色で、本来の具引唐紙台紙は破り継ﾋﾟｰｽとして使用されております。不規則な雲状に画面が契りとられており、白い具引唐紙を濃い赤茶色で受けてあります。	装飾料紙　書手本　6寸7分×1尺6分

書手本

解説・使用字母へ

貫之集（下）　書手本　第七紙　項を捲ると裏側にも書が書かれております。　縦6寸7分、横1尺5分5厘
両脇の切継・破り継部分には細めの優しい文字で、中央の濃い部分には太く力強い文字で書かれています。

歌番号は貫之集での通し番号　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　青色文字は使用字母　　　　　　　　解説・現代語訳へ

450
　あはれてふことををにして
　ぬくたまは、あはでしの
　ぶるなみだ
　　　　なりけり

451
　つまこふるしかの
　　しからむ秋はきに
　をけるしらつゆ我も
　　　　　　けぬべし

452
　おもひあまり
　　恋しきときは

　やどかれて、あくがれ
　　ぬべき心地こそ
　　　　　　　　すれ

453
　ふるゆきを　　　　　　　　ざりける
　　ゆきとたのまし人しれず
　　　ものおもふことのかずに

454
　いろもなきこころを人に
　そめしより、うつろはむ
　とはおもはざり
　　　　　　　しを

450
　安者礼天不己止越々耳之弖
　奴久多万波、安者天之能
　婦類奈美多
　　　　　奈利个利

451
　川満己婦類之可能
　　志可良武秋者幾耳
　越計留之良川遊我毛
　　　　　　　　个奴部之

452
　於毛飛阿万梨
　　恋之幾東支波

　也東可礼弖、阿久可礼
　　　奴部支心地己曾
　　　　　　　　　　　数礼

453
　婦類由支遠　　　　　　　　　　　左利个留
　　遊幾止多乃万之人之礼数
　　　　毛能於毛不己止乃可寸耳

454
　以呂毛那支己々呂遠人耳
　曾女之與利、宇川呂者无
　止八於毛者左利
　　　　　　　　　　之遠

「礼」は「禮」とすることも。
「與」は「与」とすることも。
「个」は「介」とすることも。
「弖」は「天」とすることも。

　　　　　　　　　　　　　　現代語訳　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　解説　　　　　　　　　　　　　　　　解説・使用字母へ

450
「哀れてふことを緒にして抜く玉は逢はで忍ぶる涙なりけり」
哀れと云う言葉を緒紐にして貫き通す玉は、逢うこともしないで我慢する涙なのであったなあ。

451
「妻恋ふる鹿の柵む秋萩に置ける白露我も消ぬべし」
妻を恋しく思う鹿が絡み倒している秋萩に置かれている白露の様に、私も儚く消えてしまうのだろう。

452
「思ひ余り恋しき時は宿離れて憧れぬべき心地こそすれ」
思い余って恋しい時は屋敷を離れて、さ迷い歩いて仕舞っている程の心地がするなあ。

453
「降る雪をゆきと頼まし人知れず物思ふことの数にざりける」
降る雪を白髪への道程と頼めばよかったのに、ひっそりと物思いに耽る事の数々だったのだなあ。

454
「色もなき心を人に染めしより移ろはむとは思はざりしを」
姿さへも無い心を人の姿に染めた時から、心変わりしようなどとは思いもしなかったのに。

450
（しみじみとして心を動かされるような言葉を紐にして貫き通す玉は、逢うことも出来ずに我慢して秘かに恋い慕う涙のことだったんだなあ。）との意。

てふ；…という。「といふ」の約。万葉以前は「とふ」「ちふ」が多く用いられた。
しのぶる；「忍ぶる」と「偲ぶる」との掛詞。

451
（女鹿を恋しく思う雄鹿が鳴きながら絡み倒している秋萩の上に置かれた白露が儚く消えてなくなる様に、きっと私の恋も消えて無くなって終うのだろうなあ。）との意。

べし；きっと…だろう。…に違いない。推量の意の助動詞「べし」の終止形。ここでは確実な推量の意を表す。活用語の終止形に付く。

452
（思い悩んで心の中だけでは処理できない位恋しい時には、住居を離れてどこか遠い処をさ迷い歩いているような心地がするものだなあ。）との意。心ここに在らずと詠んだ歌。

か
離れて；離れて。遠ざかって。ラ行下二段動詞「離る」の連用形「離れ」に接続助詞「て」
あくが
憧れぬ；（居所を出て）さ迷い歩いてしまう。浮れ歩いてしまう。ラ行下二段動詞「憧る」の連用形「憧れ」に完了の助動詞「ぬ」の終止形。

453
（降る雪を雪のように白い白髪へと誘う路に頼めば良かったのに、人目に付かない様にこっそりと物思いに耽る為の数ある手段の一つだったのだなあ。）との意。
ゆき；「雪（白髪）」と「行き」との掛詞。
かず
数にざりける；数だったのだなあ。体言「数」に断定の助動詞「なり」の連用形「に」更に係助詞「ぞ」とラ変補助動詞「あり」の結合した「ぞあり」の約「ざり」そして過去の助動詞「けり」の係助詞による連用形「ける」。今まで気付かなかった事実に気が付いて述べる意を表す。

454
（他人様の見ることの出来ない心の中を人目に映る表情や仕草に現わした時から、心変わりをする事も有るなどとさへ思わなかったのになあ。）との意。

ざりしを；…なかったのになあ。打消しの意の助動詞「ず」の連用形「ざり」に過去の助動詞「き」連体形「し」更に間投助詞「を」。文末に用いて、強い詠嘆の余情を含んだ意を表す。

を（お）
緒；糸や紐などの細長いものの総称。通常は身体と関係のあるものに対して使い、直接存在するものと存在はせず比喩的に使うものとがある。
堪忍袋の緒（心の平静を装い、怒りを自制している紐）。玉の緒（魂を繋ぎ留めておくもの。命。魂の緒とも）。年の緒（時間的に長く続くもの）。
鼻緒（履物に挿げて葦に架ける紐）。珠の緒（真珠や宝石、貝などに穴を開け幾つも通して繋ぎ留めて措く為の紐）。琴の緒（琴に張る糸。弦、楽毅や弓に対しても云う）。兜の緒（兜の首に結ぶ紐。笠に対しても云う）。

いろ
色；色彩に関係のある以下の様なものをはじめ、前後の文章により数々の意を表す。又、ナリ活用型形容動詞としても使用される。
とうじき　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　にびいろ　　　　　　　　　　　　　　　　いろぎ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　きんじき
当色（階級で定まった着衣などの染色）。鈍色（喪服に使う濃い灰色）。色着（婚礼や祭礼の時、上に着る白衣や色着）。禁色（天皇・皇族以外は原則身に着けることを禁じられた色）。顔色（赤や青などとして現れる気持ちの色。表情・素振・様子）。白粉（おしろい塗り。化粧）
容姿などの美しいこと（容姿又は髪の毛の美しいこと。物事の美しさ・華やかさ）。物の趣（興味・趣味。気配・様子・兆し。音色・調子・響き）。情愛・その対象たる人（なさけ・優しさ・情味。色情・欲情・情事。恋人・色男・色女・情人。遊女）。品目（種類・品目。色代納=租税としての数々の物品）。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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