三十六人集 貫之集 上 萱漉染紙『松に鶴』 清書用臨書用紙(半懐紙)  戻る 『三十六人集』 粘葉本 一覧へ


三十六人集 萱漉染紙 『鶴松』 (貫之集 上)   三十六人集 萱漉染紙 『鶴松』 (貫之集 上) 書手本
装飾料紙の書手本
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 カヤ目漉き紙  花鳥折枝金銀袷型打『松に鶴』(松咥鶴)
写真では萱の漉目が確認でき辛いですが、手に取れば確認できます。
 


 三十六人集 萱漉染紙 『鶴松』 (貫之集 上) 書手本  
装飾料紙(染紙・花鳥折枝金銀袷型手描き)の書手本 第六紙  縦6寸7分、横1尺5分5厘

歌番号は貫之集での通し番号                    青色文字は使用字母

61
 やまざくら よそにみるとて
 すがのねの、ながき春ひを たちくらしつる

   池辺に藤花あり、女水にのぞ
   みてこれをみる

62
 ふぢの花 いろふかけれや かげみれば、いけの
 水さへ こむらさきなる

   たきの水の辺に人いたりて、これを
   みる

63
 ながれくる たきのいとこそ よはからじ、ぬけと

 ぬけとみたれて おつるしら玉

   うみのほとりにある松の木のもとに
   おこなひ人やすむ

64
 いくよへし いそべのまつぞ むかしより
 たちよるなみや かずはしる覧

65
 よるならば 月とぞみまし わがやどの、に
 はしろたへに ふりしける雪

   延木十七年八月におほせによりて
   献し




61
 邪末左久良 與曾爾美類止天
 須可乃年農、奈可支春比遠多知久良之川留

   池辺爾藤花安利、女水爾乃所
   美天己礼遠美留


62
 不知乃花 以呂不可个礼也 可計美礼者、以个能
 水左部 己無良佐支那留

   多幾乃水乃辺爾人以多利天、己礼遠
   美留

63
 奈可礼久留 太支乃以止己所 與波可良之、奴个止
 奴个止美多礼天 於川留之良玉

   宇見乃保止利仁安留松乃木能毛止爾
   於己那比人也数無

64
 以久與部之 以所部能末川曾 武可之與利
 多知與流奈美也 可寸波之留覧

65
 與留奈良波 月止所美末之 和可也止乃、二
 者之呂多部爾 不里之个留雪

   延木十七年八月爾於保世爾與利
   献之



「與」は「与」とすることも。
「爾」は「尓」とすることも。
「礼」は「禮」とすることも。
「个」は「介」とすることも。
                   
ねもこ
菅の根の;枕詞。「ながし」「みだる」「懇ろ」「たゆ」などにかかる。


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