三十六人集(西本願寺本)
 中務集 染紙(茜茶)・金銀砂子 清書用臨書用紙 (半懐紙)  戻る 『三十六人集』 粘葉本 一覧へ


三十六人集 染紙 『金銀砂子振』 花鳥折枝銀燻銀袷型打 (中務集 )
染紙 茜茶色 金銀砂子振り 花鳥折枝金銀袷型打

写真は半懐紙の為、臨書手本よりも一回り大きくなっております。
(本料紙は中務集第四紙の代用品です。花鳥折枝等は実物とは異なります。)


三十六人集 染紙 『金銀砂子振』 花鳥折枝銀燻銀袷型打 右上部分拡大 (中務集 )   三十六人集 染紙 『金銀砂子振』 書手本(中務集 )
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 花鳥折枝金銀袷型打部分拡大(右上側部分)  
 
三十六人集 染紙 『金銀砂子振』 花鳥折枝銀燻銀袷型打 左下部分拡大 (中務集 )
 
 花鳥折枝銀燻銀袷型打部分拡大(左下側部分)  


臨書手本

三十六人集 染紙 『金銀砂子振』 書手本拡大 (中務集 )  使用字母
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 中務集 染紙 金銀砂子  書手本 第十三紙 縦6寸7分、横1尺5分5厘      使用字母及び解説へ
 光の反射で文字が見辛くなっている箇所が有りますが、ご了承ください。


歌番号は中務集での通し番号                    青色文字は使用字母


133

 ゆきをおもみ えだになびけと くれたけの、

 したにかよはぬ 夜こそみえけれ


   人かよわししたるをとこあり
134
 こひわたる きみをみしには あらねばや、
 おもひやまれて けふは恋しき


   かへし
135
 あひみての のちさへものの かなしくば、
 なぐさめかたく なりぬべきかな


   山里にかよふ人あるやうにききて
136
 ちはやぶる みわのやまもと へにければ、
 こひしきひとも あらじとぞおもふ


   返事
137
 おとにのみ ありとはきけど みわの山、
 すぎのおひたる かたたにも見す


   人のひさしくおとづれぬに正月一日
138
 いつぞもや しもかれしかと わがやどの、
 むめをわすれぬ はるはきにけり


   またひとに




133
 遊幾越於无身 衣多仁奈飛計東 久禮多計能、

 志多耳加與波奴 夜
己所盈計礼


    
人加與和之々多類越東己阿李
134
 己飛和多流 幾身越見之爾波 安良禰波也、
 於无悲也満禮弖 个不波恋之幾


    加部志
135

 安飛美亭能 々遅左部毛能々 加那之久盤、
 奈具左女可多久 奈利奴部幾可那


    山里爾可與不人安類也宇爾幾々弖
136
 知者也婦留 美和乃也万毛止 部爾計礼波、
 己飛之幾比止毛 安良之止所於无不


    返事
137
 於止耳乃見 安利止波幾計登 美和能山、
 寸支乃於比多留 可太々耳毛見春


   人乃比左之久於止川礼奴爾正月一日
138
 以川曾毛也 之毛可礼之可東 和可也堂能、
 武女遠和寸礼奴 者留波幾耳个利



    末多比止耳


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「禮」は「」とすることも。
「爾」は「尓」とすることも。
「个」は「介」とすることも。

「與」は「与」とすることも。


133          なび
雪を重みとして枝に靡いてくれよと呉竹に乞いてしまうよ、たわんだ枝の下に(隠れ通が出来てついつい)通ってしまう夜と見えるけれども。
(「下に通はぬ」は心の奥底に通じる思いとを掛けている)


134
恋い慕い続ける愛しい人を見たいが為ではないのですが、(逢いたいと)思わなくなってしまったのかしらと考えて今日は悲しくなってしまいましたよ。


135
逢って契りを結んでから後の(却って苦しくて切ない)胸の内が哀しいので、きっと慰め難くなってしまうに違いないのでしょうね。

 みわやませつわ                    いくたまよりひめ
三輪山説話;三輪山の神を廻る神婚説話。活玉依姫に夜毎に通う男の正体を突き止める為、糸をそっと男の衣に付けて辿ってゆくと大和の美和山の社に着き、男の正体は神と分かる。との古事記による。
おおみわじんじゃ
                   かんぺいたいしゃ  おおものぬしのおおかみ  おおなみちのかみ すくなびこなのかみ
大神神社;奈良県桜井市三輪に在る元官幣大社、大物主大神、大己貴神、少彦名神を配祀。最古の神社。杉の御社とも。(吉野杉はこの杉の苗から植林)


136          たもと
荒々しい美和の山の袂(山麓)を通り過ぎれば、恋しい人もおりますまいと思うのですよ。

137
噂によると美和の山ではそう言う事もあるとは聞くが、(ただ)杉の生えている堅田にも見えるようですよ。

堅田;水が乾いて畑の様になってしまった田。

138
何時の頃だったか、前にも(そういう事が有ったのだけれども)霜枯れしているのかと(見えていた)、我が家の梅の花の事を忘れないでちゃんと春は来てくれていたのですねえ。




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中務;平安中期の歌人で三十六歌仙の一人。古今和歌集を勅撰したことで知られる醍醐天皇の皇弟で中務省長官、中務卿敦慶親王の王女。家集は『中務集』、天暦・天徳歌合せの作者。母はやはり三十六歌仙の一人、伊勢。

てんとくうたあわせ
天徳歌合;天徳四年三月三十日宮中清涼殿で催された歌合であり、12題20番を採った。これ以後の歌合の規範となり、天徳四年内裏歌合とも称された。


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