三十六人集(西本願寺本)
中務集 染紙(縹色)・金銀砂子振 清書用臨書用紙 (半懐紙)
染紙(縹色) 金銀砂子振り 花鳥折枝銀燻銀袷型打
写真は半懐紙の為、臨書手本よりも一回り大きくなっております。
(本料紙は中務集第五紙の代用品です。花鳥折枝等は実物とは異なります。)
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花鳥折枝銀燻銀袷型打部分拡大(右上側部分) | |
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花鳥折枝銀燻銀袷型打部分拡大(左下側部分) |
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染紙(縹色) 書手本 第七紙 縦6寸7分、横1尺5分5厘 使用字母及び解説へ 歌番号は中務集での通し番号 青色文字は使用字母
「禮」は「礼」とすることも。 「爾」は「尓」とすることも。 「个」は「介」とすることも。 「與」は「与」とすることも。 59 花の色(風情)の嫌にならない限りはと(其処に留まって)帰らなければ、我が家共々秋の野辺と化してしまいますでしょう。 60 水底に青柳の姿が映り込んでいるがその青柳(が、ゆらゆらと捩れた様に美しく見えるの)は、寄せてきたその波が(柳の糸を縒っているからこそ見える)姿と捉えて欲しいものですね。 61 (浦の上空に漂う白い煙の様なものは)浦の近くに立ち昇っている春霞の様にも見えますが、多くの塩釜から立ち上る煙と見えますよ。 や そ 八十;はちじゅう。多くのことに云う。 62 常日頃藻塩を焼いている(と云う海女がいるそうである)が誰の為であろうか、火にも水にも入れられて(焼いたり煮たりされる藻塩草である)我身は。 (海草に我が身を重ねながら、恋に身を焦がしたり、涙の海に沈んだりしながら常日頃を暮している私は、一体誰の為なのでしょうか。) よ とも つねひごろ 世と共に;常日頃。常々。 63 卯の花の盛りにだけは山河(山の神と川の神)の、垣根も卯の花で白くなったなあと一人でしみじみと見ているのでしょうね。 かぐら 神楽;宮中で夜、庭燎を焚いて執り行う宗教儀式。毎年十二月の吉日に行われる。平安中期には形式が整えられ、賀茂神社などでも行われるようになった。他の神楽と区別して御神楽とも呼ばれる。 64 毎年のこととして神様を祀ってお祈りをささげる為の榊の葉を、(常緑で冬でも)色が変わらないので、永久不変に栄えて行く様にと願い折り取ろうと思っておりますよ。 たかうな 筍;たけのこ。「たかむな」の転。季語は夏。 65 たけのこ 地面が盛り上がって土に割れ目が見える庭に来てみても、(呉竹の筍の地面の下に)隠れている春の世(があること)すら知ることができない。(我が世の春が訪れようとしていることさへ知る事が出来ませんよ) くれたけ はちく 呉竹の;枕詞。「よ」に掛る。呉竹は清涼殿の東庭に植えてある竹で、葉が細く節が多い淡竹。中国伝来の意の竹 |
中務;平安中期の歌人で三十六歌仙の一人。古今和歌集を勅撰したことで知られる醍醐天皇の皇弟で中務省長官、中務卿敦慶親王の王女。家集は『中務集』、天暦・天徳歌合せの作者。母はやはり三十六歌仙の一人、伊勢。
てんとくうたあわせ
天徳歌合;天徳四年三月三十日宮中清涼殿で催された歌合であり、12題20番を採った。これ以後の歌合の規範となり、天徳四年内裏歌合とも称された。
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