法輪寺切(法輪寺切和漢朗詠集)巻下断簡 故宮付破宅    戻る 法輪寺切  一覧へ

  羅紋状飛雲料紙 薄藍染紙雲母振 

料紙は鳥の子紙で、藍と紫に染めた繊維を飛雲として漉き込んだ薄藍の染紙に、砂子状の雲母を紙面全体に鏤めた装飾料紙である。然もこの飛雲、他に類を見ない特殊な加工が施してあり、一つ一つの飛雲が羅紋状に形成されていて非常に価値の高い資料としても貴重なもの。一枚につき三か所の飛雲が施してある。

 清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)  清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)   清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)    『法輪寺切』 (法輪寺切和漢朗詠集) 巻下断簡 故宮 拡大へ
淡藍色  淡藍色   淡茶色・別注品  故宮



淡藍色
 『法輪寺切』 (法輪寺切和漢朗詠集) 巻下断簡 故宮 
約25cmx15.2cm
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。



         漢詩・かな                        水色文字は使用時母

535
 荒籬見
露秋蘭泣、深洞聞風老檜悲 英明


536

 向
暁簾頭生白露、終宵床底見青天 善宗


537

 きみなくて あれたるやどの いたまより、つき

 のもるにも そではぬれけり
538
 きみなくて けぶりたえにし しほがまの、

 うらさびしくも なりにけるかな
539
 いにしへは ちるをやひとの をしみけむ、い

 まははなこそ むかしこふらし


 
535
 
くわうり                 しんとう
 荒籬に露を見れば秋の蘭泣く、深洞に風を聞けば
 
らうくわい
 老檜悲しむ 
源英明

536  
なんなん            
 暁に向として簾の頭に白露を生す、宵も終らんとして

 床の底に青天を見る 
 三善善宗

537
 支美那久天 安礼多留也止乃 以太末與利、川支

 能毛留爾毛 所天波奴礼希利

538

 幾美那久天 計不利多衣爾之 々本可末能、

 宇良左比之久毛 奈利仁个留可那

539

 以二之部波 知留遠也比止乃 遠之美希武、以

 末者々那己所 武可之己不良之



535
 荒籬見
露秋蘭泣、深洞聞風老檜悲
536
 向暁簾頭生白露、終宵床底見青天

537

 君なくて荒れたる宿の板間より、月の洩るにも袖は濡れけり
538
 君なくて煙絶えにし塩釜の、心淋しくも也にけるかな (紀貫之)
539
 古は散るをや人の惜しみけむ、今は花こそ昔恋うらし (藤原伊尹)



 こうり               あらがき
荒籬;
荒れ破れた垣根。  荒籬;目の粗い垣。

よもすがら
終宵;夜の始まりから終わりまで。一晩中。


なんなん

向として;まさにそうなろうとして

うらさび
心淋し;何となく寂しい

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飛雲料紙代用可能一覧
(飛雲の位置は其々の料紙で多少の違いが有ります。気になる方は其々の料紙に合わせた特注品としてお造り出来ますが、割高にはなります。参考オリジナル料紙作成)
以下は代用可能な古筆の一覧ですが、飛雲は何れも通常の物です。

小島切      伝小野道風
深窓秘抄     伝宗尊親王
歌仙歌合     伝藤原行成
和歌体十種    伝藤原忠家
堤中納言集    伝紀貫之
名家歌集切    伝紀貫之
元暦校本万葉集  伝藤原行成・他
敦忠集切     伝藤原行成
伊豫切和漢朗詠集 伝藤原行成
紙撚切道済集   伝藤原佐理