法輪寺切(法輪寺切和漢朗詠集)巻下断簡 酒        戻る 法輪寺切  一覧へ

  羅紋状飛雲料紙 薄藍染紙雲母振 

料紙は鳥の子紙で、藍と紫に染めた繊維を飛雲として漉き込んだ薄藍の染紙に、砂子状の雲母を紙面全体に鏤めた装飾料紙である。然もこの飛雲、他に類を見ない特殊な加工が施してあり、一つ一つの飛雲が羅紋状に形成されていて非常に価値の高い資料としても貴重なもの。一枚につき三か所の飛雲が施してある。

 清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)  清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)   清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)    『法輪寺切』 (法輪寺切和漢朗詠集) 巻下 酒 拡大へ
淡藍色  淡藍色   淡茶色・別注品



淡茶色(経年変化による淡藍紙の褐変した物)
 『法輪寺切』 (法輪寺切和漢朗詠集) 巻下 酒 
約27.6cmx10.4cm
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。



         漢詩・かな                                  水色文字は使用時母


   酒
479
 新豊酒色清冷於鸚鵡之盃中、長樂歌聲

 幽咽於鳳皇之管裏。
送友歸大梁賦

480

 晉建威將軍劉伯倫嗜酒作酒徳頌傳於世唐

 太子賓客白樂天亦嗜酒作酒功賛繼之。






 

    酒

479          
おうむ         せいれい
 新豊の酒の色は鸚鵡の盃の中に清冷たり、長楽の歌の聲は
     
くだ  うち  いういん
 鳳皇の管の裏に幽咽す。
友の大梁に帰るを送るの賦

480
 
しん  けんいしゃうぐん りゅうはくりん   たしな    しゅ とくしょう
 普の建威將軍劉伯倫酒を嗜んで、酒徳頌を作って世に
          た い し  ひんきゃく     また
 伝へたり。唐の太子の賓客白楽天亦酒を嗜んで、酒功讃


 を作ってこれに継ぐ。 
白楽天






479
 新豊酒色清冷於鸚鵡之盃中、長樂歌聲

 幽咽於鳳皇之管裏
友歸大梁
 
480
 晉建威將軍劉伯倫嗜
酒作酒徳頌於世、唐

 太子賓客白楽天亦嗜酒作酒功賛之。




おうむのさかずき
鸚鵡の盃;オウムガイなどの殻で作った美しい杯。

ほうおう
鳳皇;鳳凰。想像上の瑞鳥。麒麟・鹿・蛇・亀・魚・燕・鶏を併せ持ち、五色絢爛で五音の声を持つ聖徳の天子の兆しと云れる鳥


ゆういん
    
幽咽;のみ隠す。

しょう
頌;褒め称えること。
又、詩経の六儀の一で人君の盛徳をたたえその成功を神に告げる歌

さん
賛;褒め称えること。
又、漢文の一体で人または事物の美徳を称揚するもの。

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飛雲料紙代用可能一覧
(飛雲の位置は其々の料紙で多少の違いが有ります。気になる方は其々の料紙に合わせた特注品としてお造り出来ますが、割高にはなります。参考オリジナル料紙作成)
以下は代用可能な古筆の一覧ですが、飛雲は何れも通常の物です。

小島切      伝小野道風
深窓秘抄     伝宗尊親王
歌仙歌合     伝藤原行成
和歌体十種    伝藤原忠家
堤中納言集    伝紀貫之
名家歌集切    伝紀貫之
元暦校本万葉集  伝藤原行成・他
敦忠集切     伝藤原行成
伊豫切和漢朗詠集 伝藤原行成
紙撚切道済集   伝藤原佐理