法輪寺切(法輪寺切和漢朗詠集)巻下断簡 恋       戻る 法輪寺切  一覧へ

  羅紋状飛雲料紙 薄藍染紙雲母振 

料紙は鳥の子紙で、藍と紫に染めた繊維を飛雲として漉き込んだ薄藍の染紙に、砂子状の雲母を紙面全体に鏤めた装飾料紙である。然もこの飛雲、他に類を見ない特殊な加工が施してあり、一つ一つの飛雲が羅紋状に形成されていて非常に価値の高い資料としても貴重なもの。一枚につき三か所の飛雲が施してある。

 清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)  清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)   清書用・臨書用紙 『法輪寺切』 (和漢朗詠集)    『法輪寺切』 (法輪寺切和漢朗詠集) 巻下断簡 恋 拡大へ
淡藍色  淡藍色   淡茶色・別注品  



淡藍色
 『法輪寺切』 (法輪寺切和漢朗詠集) 巻下断簡 恋 
約26.2cmx9.2cm
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。



         漢詩・かな                        水色文字は使用時母


   戀

778
 爲君薫衣裳、君聞蘭麝不馨□、爲君事

 容餝、君見金翠無顔色。
 白


779

 更闌夜静、長門閇而不開、月冷風秋團扇香

 而共絶。
 張文成





 

   恋

778
  
         たきもの       らんじゃ       けいきゃう
 君が爲に衣裳に薫すれども、君蘭麝を聞ぎながら馨香ならず

 とおもへり、君が爲に容飾を事すれども、君金翠を見ながら


 顔色無しとおもへり。 
白楽天


779 
            げき         すさま
 更闌け夜静かなり、長門闃として開けず、月冷じく風秋なり
    
えう
 團扇杳として共に絶えぬ。
 
張文成















778
 爲
君薫衣裳、君聞蘭麝馨□、爲君事

 容餝、君見金翠顔色


779
 更闌夜静、長門閇而不
開、月冷風秋團扇香

 而共絶。





詩778の□は『香』の脱字か
         
げき               
詩779の閇は『闃』の誤りか、或はそのまま『閇じて開かず』か







東京国立博物館蔵

たきもの                    ねりこう
薫;薫物
。数々の香を合わせて作った練香。

らんじゃ
蘭麝;蘭の花の香りと麝香の香り。良い香り。


ようしょく

容飾;容貌を飾る事。化粧をすること。


金翠;美しい緑。或は黄金と翡翠。

色無し;生気がない。そっけない。不愛想である。

げき
闃;静かなこと。ひっそりとしている様子。

 こうた
更闌け;夜が更けること。

よう
杳;暗い様子。はるかな様。広く深い様子。

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飛雲料紙代用可能一覧
(飛雲の位置は其々の料紙で多少の違いが有ります。気になる方は其々の料紙に合わせた特注品としてお造り出来ますが、割高にはなります。参考オリジナル料紙作成)
以下は代用可能な古筆の一覧ですが、飛雲は何れも通常の物です。

小島切      伝小野道風
深窓秘抄     伝宗尊親王
歌仙歌合     伝藤原行成
和歌体十種    伝藤原忠家
堤中納言集    伝紀貫之
名家歌集切    伝紀貫之
元暦校本万葉集  伝藤原行成・他
敦忠集切     伝藤原行成
伊豫切和漢朗詠集 伝藤原行成
紙撚切道済集   伝藤原佐理