和泉式部続集切(続集下巻)(6寸8分×3寸9分)   戻る 臨書用紙 和泉式部集へ
 
素色料紙(未晒しの楮色)が使われております。
当然滲み止め加工はしてあり、薄茶色は経年変化によるもの。


素色(しろいろ)
  

第二十七紙(一葉)
和泉式部集 続集切 第二十七紙(断簡24) 素色(しろいろ)
素色(しろいろ)




清書用 臨書用紙
 白色(しろいろ)
和泉式部 白色 宝唐草
25.0cmx36.4cm


        宝唐草



解説及び使用字母



















20.6cmx11.8cm
続集下巻 乙類

断簡24 歌62(1372)歌63(1373)。

( )内の歌番号は、岩波文庫本和泉式部集による通し番号



解説 第二十七紙 (断簡24)

            かな                         水色文字は使用時母          解釈(現代語訳)


   つゆのいとしげうおきたれば
1372
 さはみれど うちはらはで 秋はぎを、しのび

 てをれば そでぞつゆけき


   つねよりも世中のはかなくみえし

   九月九日に

1373
 きくときく 人はなくなる よのなかに、今日も

 わが身は すぎむとやする


 


   
徒由乃以止之个宇於支多連盤
1372
 散波美禮登 宇遅波良者天 秋者支遠、志乃日

 天遠礼者 所天所徒遊个支


   川禰夜利无世中能波可奈久美盈之

   九月九日爾

1373
 幾久渡支久 人盤那久那留 与乃奈可仁、今日毛

 和可身盤 寸支武止也春類



歌番号は岩波文庫本和泉式部集による通し番号


「个」は「介」とすることもあり。
「禮」は「礼」とすることもあり。
「与」は「與」とすることもあり。

                                 
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              現代語訳                        解釈              解説及び使用字母
 


   露がたいそう激しく降りているので

1372
「然は見れど打ち払はで秋萩を、忍びて折れば袖ぞ露けき」
その様には見えますが打ち払わないで、我慢するようにして秋萩を折取れば露に濡れて湿っぽいですよ。



   常日頃よりも世の中が儚く見えた
   九月九日に


1373
「利くと聞く人は無くなる世の中に、今日も我が身は過ぎむとやする」
利くと聞いておりますよ、何れ人は無になる世の中ですので、今日も私の体は時を刻もうとしているという事ですねえ。



 


1372
(露が大変多い様には見えますが露を打ち払わないで、我慢するようにして貴方の大好きな秋萩を折取れば袖は露に濡れて湿っぽくまるで涙を流した跡の様ですよ。)との意。
 さ
然は;その様には。そうは。副詞「然」に係助詞「は」。又接続として、それならば。それでは。

しのびて;「忍びて」と「偲びて」との掛詞。

                        
ちょうよう
九月九日;九月の節句(陰暦の九月)。重陽。昔は邪気を払う為、呉茱萸を袋に入れて柱に下げた。菊の宴。

1373
(菊の花が長寿に利くと聞いておりますよ、何れ人は亡くなって無になる世の中ですので、無情にも今日も私の体は死に向かって刻一刻と時を刻もうとしているという事なのですねえ。)との意。


きく;「利く」と「菊」との掛詞。
 

きくのえん
菊の宴;陰暦九月九日の重陽の節句に行われる観菊の宴。盃に菊の花を浮かべ不老長寿を祝って飲む集まり。菊の節句。

ごしゅゆ
呉茱萸;中国原産のミカン科の高さ約3mの落葉小高木。古くから日本でも栽培され、初夏に緑白色の小花を付ける。紫赤色の果実は香気と辛味が有り、生薬として健胃・利尿・駆風剤などに利用された。

きくのえん
菊の露;菊の花の上に置いた露。飲むと長生きするとされていた。



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