小島切 斎宮女御集
鳥の子紙(薄茶色)5寸4分5厘×7寸2分5厘
こちらは、小島切の部分抜粋です。鳥の子紙に染加工、雲母砂子撒きをしたものです。裏面は高野切同様の加工で、表面には更に一葉につき三か所の飛雲を施してあります。
写真は雲母振りの染紙、飛雲料紙の表面です。写真では飛雲が一か所ですが、この項の左に残り半葉分が有り、そちらには二つの飛雲が配してあります。
薄茶色
16.5cmx22cm
実際よりもやや淡く映っております。薄茶色の雲母振り飛雲染紙です。料紙半葉一項分
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。
かな 使用字母
のちにうへよりまどほくあれやと きこえさせたまへる御かへりに 12 うき なれゆけば ままよなればや すまのあまの、 しほやきごろも まどほなる覧 をりしらず女御 13 もしほやく けぶりになるる あまごろも、い くそたびかは そでのぬるらん |
乃知爾宇部與利万止保久安礼也止 支己盈左世多部留御可部利爾 宇支 奈礼由个盤万々與奈禮者也須末乃安万能 志本也幾己呂毛末止保奈留覧 遠利之羅寸 女御 毛志本也久希不利爾奈留々安万己呂毛、以 久曾多日可八曾弖農奴留良无 |
二項目(小島切本) 漢字の意味の通じるものは漢字で表記 一行は一行に、繰返しは仮名で表記 一段低くなっているのは詞書 まどほ 間遠く;場所や時間が遠く隔たっている。 しほやきごろも 塩焼衣;塩を焼く人の着る粗末な着物。 もしほ 藻塩;海草に海水を注ぎ掛けて塩分を於く含ませて乾燥させ、これを焼いて灰にしてから水に溶かしその上澄みを釜で煮詰めて作った塩。使用する海草は主に甘藻。 幾そ度;いくたび。何度も。回数の多いこと。 (歌番号は三十六人集中の斎宮女御集での通し番号) |
後に上より間遠くあれやと、聞こえさせ給へる御返りに 12 馴れゆけば憂き世なればや須磨のあまの、塩焼衣間遠なる覧。 をりしらず 女御 13 藻塩やく煙になるるあまごろも、幾そ度かは袖の濡るらん きらすなご 雲母砂子は粗目の物が荒く撒いてあります。 写真では雲母が見えませんが雲母振りの様子は上記赤字をクリックしてください。 |