小島切 (零本・断簡)
斎宮女御集
三十六歌仙の一人、斎宮女御徽子女王の家集で小野道風筆と伝えられる。(が、類似の真筆が見つからず未だ断定はされていない。流麗で自由闊達な運筆と、ころっとして弾ける様な線質から女性の手によるものの様にも見える。)小島切の名は本阿弥光悦門下で茶人でもあった小島宗真の所有していたところから、江戸末期の頃には『小島切』と称されている。然し乍ら茶席の飾りに尊ばれたことから諸家に分断され、半葉或は歌一首にまで分断され、散々に成っているのが現状である。
小島切の装丁は加賀前田家に伝来する零本の存在から、粘葉装の冊子本であったことが推察される。元は両面加工の料紙で、薄茶に染めた鳥の子紙に表面裏面共に高野切の如く雲母砂子が施され、表面には藍と紫が混在した飛雲が浮かしてある。
斎宮女御集は約四十の伝本が認めれているが、「小島切本斎宮女御集」は現在九十八首が知られており、歌仙本に一致するものが四十九首、西本願寺本に一致するものが九十四首、群書類従斎宮女御集に一致するもの四十九首が確認される。宮内庁書陵部本(桂宮本叢書第一巻)と共に四系統ある斎宮女御集の一つである。また詞書に三人称を使用していることから、自選の句ではないことも窺える。飛雲を配した料紙の使用とそのしなやかな書風から、11世紀中頃から12世紀初め頃の誕生とされる。
清書用 飛雲料紙 染紙雲母振
本清書用は基本的には、1色・1種類バラの料紙で構成(1枚は縦9寸7分×横1尺2寸)
料紙は本鳥一号紙で、藍と紫に染めた繊維を飛雲として漉き込んだ薄茶の染紙に、砂子状の雲母を紙面全体に鏤めた装飾料紙です。尚、漉込の飛雲は非常に手間がかかる為、現在では藍と紫に染めた楮の繊維を料紙を加工する際、紙面に飛雲状に撒いて定着させたものを使用しております。
清書用 本鳥一号紙 染淡色 雲母振 写真は前田家零本の摸本(昭和初期)・断簡の一部を抜粋 下方の写真(書写のされていない料紙)がハクビ製の物 |
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飛雲料紙 (薄茶色;雲母振 ) |
見返し料紙 (薄茶色;雲母振 ) |
小島切・表紙 (薄茶色;雲母振 ) |
裏表紙見返し料紙 (薄茶色;雲母振 ) |
飛雲料紙 (薄茶色;雲母振 ) |
染紙料紙 (薄茶色;雲母振 ) |
飛雲料紙 (薄茶色;雲母振 ) |
飛雲料紙 (薄茶色;雲母振 ) |
飛雲料紙 (薄茶色;雲母振 ) |
飛雲料紙 (臨書;清書用臨書用紙) |
飛雲料紙 (薄茶色;雲母振 ) |
飛雲料紙 (薄茶色;雲母振 ) |
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(臨書;練習用臨書用紙) |
飛雲料紙・練習用 (薄茶色;雲母振 ) 資料館価格 1冊 5830円(税込) |
飛雲料紙・清書用 (薄茶色;雲母振 ) 資料館価格 1枚 1672円(税込) |
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1冊(40枚入り)
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1枚売り
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きし しょうきょうでん
斎宮女御;後醍醐天皇の皇子式部卿重明親王の女御で斎宮徽子女王のこと。承香殿におられた事から承香殿女御とも。
936年斎宮となり、945年母の死と共に斎宮を辞職。翌々年村上天皇の後宮に入り949年女御となる
985年、享年57歳にて永眠。
三十六歌仙の一人で、勅撰集にも多数の歌を残し、和歌に優れていたことが窺える。
その家集には歌仙本(102首)と群書類従本(102首)、西本願寺本三十六人集(265首)他に、
宮内庁書陵部本、渋紙本(伝西行筆)等が有り、歌合を催していたことでも知られている。