小島切 斎宮女御集               戻る 小島切 一覧へ 
    鳥の子紙(薄茶色)5寸4分5厘×7寸2分5厘
こちらは、小島切の部分抜粋です。鳥の子紙に染加工、雲母砂子撒きをしたものです。裏面は高野切同様の加工で、表面には更に一葉につき三か所の飛雲を施してあります。
写真は雲母振りの染紙、飛雲料紙の表面です。写真では飛雲が一か所ですが、この項の左に残り半葉分が有り、そちらには二つの飛雲が配してあります。


薄茶色

『小島切』 斎宮女御集 『浦水の〜』
16.5cmx22cm
実際よりもやや淡く映っております。薄茶色の雲母振り染紙です。料紙半葉一項分
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。


        かな                          使用字母


125

  うら水の はまにおふてふ あししげみ、ひま

  なくものを おもふころかな

    ありし我身を

121
  ながめする そらにんあらで しぐるるは、

  そでのうらにん なみやたつ覧

    あはれのさまや

26
  ほのかにも かぜはつけなむ 花すすき、むす

  ぼほれつつ つゆにぬるとも

    かぎりなりける



 宇羅水乃 者末耳於婦天不 安志々希美、日万

 那久毛乃越 於裳不己呂可奈

    安里之我身越

 奈加免寸留 曾良爾无阿良天 志久流々盤、

 曾弖乃宇良爾无 奈美也堂都覧

    安者礼乃左万也

 保乃可爾毛 可世者川个奈武 花寸々支、武寸

 本々礼川々 徒由爾奴留止无

    可支利奈利个留


  四項目(小島切本)

漢字の意味の通じるものは漢字で表記
一行は一行に、繰返しは仮名で表記

一段低くなっているのは詞書

125
浦水が浜に打ち寄せるが如く間を置かずに通うかの様に、
絶えず物思いに耽る此の頃ですよ。

121
見つめている空の青さとは違って(私の心が)曇っているのは、
涙雨で袖の中ではもう秋が訪れているようですよ。

26
置きつつある露に濡れようとも、薄っすらとでも風は表に出すでしょう

気が塞いで晴れ晴れせず涙に濡れようとも、僅かばかりでも流れはきっとつくでしょう。

(歌番号は三十六人集中の斎宮女御集での通し番号)
    久しうとあるだに、度々になりにける程に
125
 浦水の浜におふてふあししげみ、暇なくものを思うころかな。

    ありし我身を
121
 眺めする空にもあらで時雨るるは、袖のうらにも波やたつ覧。

    哀れの様や
26
 ほのかにも風はつけなむ花すすき、結ぼほれつつ露に濡るとも。

    限りなりける





きらすなご
雲母砂子は粗目の物が荒く撒いてあります。

写真では雲母が見えませんが雲母振りの具合は上記赤字をクリックしてください。

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