小島切 斎宮女御集 臨書               戻る 小島切 一覧へ 
    鳥の子紙(薄茶色)6寸×9寸7分
こちらは、小島切の部分臨書です。清書用・臨書用紙に臨書したものです。臨書した本人が鳥の子紙に染加工、雲母砂子撒きをしたものです。表面のみの加工で、裏面は非加工です。表面には一葉につき三か所の飛雲を施してあり、写真の物は右半葉に臨書したものです。
写真は雲母振りの染紙、飛雲料紙です。写真では飛雲が一か所ですが、この項の左に残り半葉分が有り、そちらには二つの飛雲が配してあります。


薄茶色

『小島切』 斎宮女御集 臨書 『たまさかに〜』   清書用紙
18cmx29.4cm
薄茶色の雲母振り飛雲染紙です。料紙半葉一項分(実物よりもやや大きめに作成してあります)。
写真の状態があまりよくありませんがご了承ください。
 

        
  たまさかに のふひありやと かすがのの、のもり

  はいかが つげやしてけむ

    御返し

  かすがのの ゆきのしたくさ ひとしれず、

  とふ日ありやと われぞまちつる

    のの宮におはしけるころ、三

    条の宮まゆみのひとはあるにさし

    て


       
  偶適に 訪ふ日ありやと 春日野の、野守

  はいかが 告げやしてけむ

    御返し

  春日野の 雪の下草 人知れず、

  訪ふ日ありやと 吾ぞ待ちつる
      
*1
    野の宮に御座しける頃、三

    条の宮檀の一葉あるにさし

    て


  二項目(小島切本)

漢字の意味の通じるものは漢字で表記
一行は一行に、繰返しは仮名で表記

一段低くなっているのは詞書


臨書部原本参考




読みやすい様に漢字、読点を入れております。


きらすなご
雲母砂子は粗目の物が荒く撒いてあります。

写真では雲母が見えませんが雲母振りの具合は上記赤字をクリックしてください。

*1 野の宮;
皇女、若しくは女王が斎宮または斎院に成る時、潔斎(祭事などの際、身を清める為に行う行為)のため一年間籠る宮殿。黒木の鳥居を設け柴垣をめぐらしてあった。斎宮のものは嵯峨に、斎院のものは紫野にあった。


このページの

『小島切』 斎宮女御集 臨書 『たまさかに〜』   清書用紙
18cmx29.4cm
薄茶色の雲母振り飛雲染紙です。料紙半葉一項分(実物よりもやや大きめに作成してあります)。
写真の臨書は、とある学生が卒論の研究にと門戸を叩いて書写したもので、志の為に自ら料紙を作成して書き上げたものに為ります。清書用、練習用ともに作成し、原紙の違いと加工過程の違いを経験した上での臨書は、書き味と出来栄えの違いも分り大変勉強に為りましたとのことです。