三十六人集 貫之集 上 飛雲ぼかし 清書用臨書用紙 (半懐紙)  戻る 『三十六人集』 粘葉本 一覧へ

三十六人集 飛雲ぼかし 『金銀砂子振』 花鳥折枝金銀袷型打 (貫之集 上)
飛雲ぼかし 金銀砂子振り 花鳥折枝金銀袷型打

写真は半懐紙の為、臨書手本よりも一回り大きくなっております。

三十六人集 飛雲ぼかし 『金銀砂子振』 花鳥折枝金銀袷型打拡大 (貫之集 上)   三十六人集 飛雲ぼかし 『金銀砂子振』 書手本(貫之集 上)
 臨書手本へ

書解説へ
 花鳥折枝金銀袷型打部分拡大  
   
   


臨書手本

 三十六人集 飛雲ぼかし 『金銀砂子振』 書手本拡大 (貫之集 上)  
 飛雲ぼかし  書手本 第二十四紙 縦6寸7分、横1尺5分5厘      書解説へ

歌番号は貫之集での通し番号                    青色文字は使用字母

   (人いでて春ののにあそぶ)

269

 (はるふかく なりぬる時の のべみれ)
*1
 ば、くさのみどりも いろこかりけり


   川邊の青柳 松
270
 まつをのみ ときはとおもへば よととも
 に、ながれて水も ときはなりけり

271
 やなみれば 河風いたく ふくときぞ
 なみの花さへ おちまさりける

272
 あめふると 吹松風は きこゆれど、いけの
 みぎはも まさらざりけり

   をむなどもあまた秋ののに
   ゐで花みたるところ

273
 はなのいろは あまたみれども 人
 しれず、はぎの下葉ぞ ながめられける

   女のもとに男いたりてをば
   なのしたにたてり
274
 ふくかぜに なびくをばなを うちつけに
 まねくそでかと おもひけるかな



   (人以天々春能々爾安曾不)
269
 (者留不可久 奈利奴留時乃 々部美禮)
*1
 者久左乃美止利毛 
以呂己可利个利


    
川邊乃青柳 松
270
 末川遠能美 止支八止於毛部波 與止々毛
 爾、奈可禮天水毛 止支波奈利个利


271

 也奈美禮者 河風以多久 不久止支曾
 那三乃花左部 於知末左利个留

272
 安女不留止 吹松風者 幾己遊禮止、以希乃
 美支波毛 末左良左利个利


    遠无奈止毛悪末多秋乃々爾
    為天花美多留止己呂

273
 波奈乃意呂波 安末多美禮東毛 人
 志禮数、芳支能下葉曾 奈可女良禮个留

   女能毛止爾男以多利天遠波
   奈乃之太爾多天里

274
 布久可世爾 奈比久越者奈遠 宇知川个爾
 末禰久曾天可止 於毛比
个留可奈


( )*1は前項にあり。
「禮」は「」とすることも。
「爾」は「尓」とすることも。
「个」は「介」とすることも。

「與」は「与」とすることも。

ときは
常盤;松、杉など葉の色が常に緑色であること。永久不変なこと。

やなり
簗;川の瀬などで魚を捕るための仕掛け。石や木などで堰を作り一か所に流れるようにして、其処に流れ来る魚を簗簾に落とし込んで生け捕るもの。簾に打ち上げられた魚を捕獲する。

みぎは
汀;水際、水に接する辺り。「汀まさる」で川の水が増し、岸に溢れることの喩で、涙がとめどもなく流れること。

 をばな
尾花;ススキの花穂。

 
打ち付けに;にわかに思い立って。気まぐれに。だしぬけに。



                                      戻る はくび工房 『三十六人集 貫之集 上』  一覧へ 戻る 装飾料紙 『三十六人集』 一覧へ