三十六人集 貫之集 上 『墨流し』 清書用臨書用紙 半懐紙  戻る 『三十六人集』 粘葉本 一覧へ

三十六人集 絵筆ぼかし 『墨流し』 (貫之集 上)   三十六人集 絵筆ぼかし 『墨流し』 (貫之集 上)袷型打部分拡大
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 墨流し手書ぼかし 金銀中小切箔振り 花鳥折枝銀燻し銀袷型打

 

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書手本
三十六人集 絵筆ぼかし 『墨流し』 (貫之集 上)
 
 装飾料紙 貫之集・上 『墨流し手書ぼかし』 書手本 第八紙 縦6寸7分、横1尺5分5厘

歌番号は貫之集での通し番号             青色文字は使用字母

93
 おほかりと おもふものから さくら花、ある
 ところには やすくやはゆく


   いけのうへにふぢの花さきたる
94
 みづのうへに さきたるふぢを 風ふけば
 なみのうへにたつ なみかとぞみる


   たき
95
 まつのおとを ことにしらぶる 秋風は、たき
 のいとをや すけてひくらむ


   九月晦
96
 紅葉ばの わかれをしみて 秋風は
 けふはみむろの 山をこゆらむ


   延喜十八年女四宮の御かみあけの
   れうの御屏風の歌依内裏
   仰奉し

   正月
97
 山のはを みさらましかは 春霞、た
 てるもしらで かへりぬべかりけり


   二月
98
 よるひとも なきあおやぎの いとなれば
 ふきくるかぜに かつみだれつつ



93
 於本可利止 於毛不毛能可良 左久良花、安留
 東己呂爾波 也春久也八遊久


   以个能宇部爾不知乃花左支多留
94
 美川乃宇部爾 左支太留不知遠 風不个八
 奈美乃宇部爾太川 奈美可止曾美留


   多支
95
 末川能於止遠 己止仁志良不留 秋風者、多支
 能以止遠也 寸个天比久良无


   九月晦
96
 紅葉者能 和可礼遠之三天 秋風者
 計不波美武呂能 山遠己由良无


   延喜十八年女四宮乃御可美安个能
   礼宇乃御屏風乃歌依内裏
   仰奉之

   正月
97
 山能者遠 美左良末之加波 春霞、多
 天留毛志良天 可部利奴部可利个利


   二月
98
 與留比止毛 奈支阿遠也支乃 以止那礼者
 不支久留可世爾 可川美多礼川々



「與」は「与」とすることも。
「爾」は「尓」とすることも。
「礼」は「禮」とすることも。
「个」は「介」とすることも。

御室;貴人のお住まい。神様の住まわれる所。三室山:斑鳩町竜田にある山で古くから紅葉の名所。麓に流れる川が竜田川で、紅葉をあしらった川面の紋は「竜田川」と呼ばれる。

松の言の葉;和歌のこと。「松の音を言に調ぶる」は和歌を奏でる喩。
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