素性集  具引唐紙『水辺の鳥』 (清書用臨書用紙)    戻る 『三十六人集』 粘葉本 一覧へ 戻る 『素性集』  一覧へ

素性集第七紙料紙、具引唐紙『水辺の水鳥』の部分の清書用臨書用紙になります。素性集そのものには裏面にも歌が書かれておりますが、表面のみの加工ですので表面のみの使用と御承知おきください。裏面にも墨入れをすることは可能ですが、裏面を使用するには力量が必要となります。裏面の歌の臨書をご希望の場合には同じ柄、若しくは黄茶具引(花鳥折枝)をご用意ください。

装飾料紙 三十六人集 素性集(第三紙) 重ね継(羅紋) 『西瓜』 半懐紙 拡大へ 装飾料紙 三十六人集 素性集 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 拡大へ 装飾料紙 三十六人集 素性集(第四紙) 破り継 『秋草に蜻蛉』 半懐紙 拡大へ 装飾料紙 三十六人集 素性集(第三紙) 重ね継 『以曾能神』(大曲羅紋) 半懐紙 拡大へ 装飾料紙 三十六人集 素性集(第二紙) 重ね継 『釣舟』 半懐紙 拡大へ 装飾料紙 三十六人集 素性集(第一紙) 破り継 『西瓜』 半懐紙 拡大へ
素性集(第八紙)
重ね継『西瓜』
素性集(第七紙)
具引唐紙『水辺の鳥』
 
 素性集(第四紙)
破り継『秋草に蜻蛉』
 素性集(第三紙)
重ね継『大曲羅紋』
素性集(第二紙)
重ね継『釣舟』
 
素性集(第一紙)
破り継『西瓜』
 
 装飾料紙 三十六人集 素性集 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 部分拡大へ 伊勢集 『具引唐紙』 (水辺の鳥) 書拡大へ
唐紙料紙の書手本拡大
 

素性集
第七紙 具引唐紙
 
 具引唐紙 黄茶『水辺の鳥』 花鳥折枝金銀袷型打 (半懐紙)
料紙左側中央辺りに『水辺の鳥(波立つ水面と其処に生える菅その陰で休息する水鳥)』が摺り出された具引唐紙になります。実物は蝋箋として描かれておりますが、本品は白雲母で柄出しした物に花鳥折枝金銀袷型打を施したものになります。

装飾料紙
装飾料紙 半懐紙
 
 装飾料紙 右上側部分装飾料紙 三十六人集 素性集 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 右上側部分拡大 装飾料紙 右上側部分



装飾料紙 三十六人集 素性集 書手本 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 右上側部分拡大
右上側部分 書手本へ

 
 右上側部分 具引唐紙 黄茶 花鳥折枝金銀袷型打
花鳥折枝は季節に関係なく色々な物が描かれたおります。第七紙に描かれている実際の物とは異なりますのでご了承願います。
花鳥折枝金銀袷型打(千鳥・蝶々・女郎花・柳・紅葉・芝桜・松枝など)

装飾料紙
装飾料紙 半懐紙
 
 装飾料紙 右下側部分装飾料紙 三十六人集 素性集 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 右下側部分拡大 装飾料紙 右下側部分



装飾料紙 三十六人集 素性集 書手本 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 右下側部分拡大
右下側部分 書手本へ
 
 右下側部分 具引唐紙 黄茶 花鳥折枝金銀袷型打
花鳥折枝は季節に関係なく色々な物が描かれたおります。第七紙に描かれている実際の物とは異なりますのでご了承願います。
花鳥折枝金銀袷型打(千鳥・蝶々・草藤・蓼・紅葉・蓬・松枝など)

 
装飾料紙
装飾料紙 半懐紙
 
 装飾料紙 左上側部分装飾料紙 三十六人集 素性集 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 左上側部分拡大  装飾料紙 左上側部分



装飾料紙 三十六人集 素性集 書手本 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 左上側部分拡大
左上側部分 書手本へ

←右側のここら辺に水鳥
 左上側部分 具引唐紙 黄茶『水辺の鳥』 花鳥折枝金銀袷型打
左下の銀灰色に薄っすらと見える折枝の後ろ側に、水面と水草を描いてあるのが微かに確認出来ます。
花鳥折枝金銀袷型打(千鳥・蝶々・女郎花・柳・紅葉・草藤など)
装飾料紙
装飾料紙 半懐紙
 
 装飾料紙 左下側部分装飾料紙 三十六人集 素性集 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 左下側部分拡大 装飾料紙 左下側部分



装飾料紙 三十六人集 素性集 書手本 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 左下側部分拡大
左下側部分 書手本へ
 
 左下側陰の部分 光の反射の少ない様子
唐草柄も光を反射しなければグレーに見えます。

金銀袷型打も光を失い鈍い色合いです。(松枝・千鳥・蝶々・蓼・紅葉・柳・草藤)

装飾料紙
装飾料紙 半懐紙
 
 装飾料紙 書手本 右上側部分装飾料紙 三十六人集 素性集 書手本 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 右上側部分拡大 書手本 右上側部分



装飾料紙 三十六人集 素性集 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 右上側部分拡大
臨書用紙 右上側部分へ
 
 右上側部分 具引蝋箋 黄茶 花鳥折枝金銀袷絵 布目入
花鳥折枝は季節に関係なく色々な物が描かれたおります。第七紙には蝶々が多く描かれております。。
花鳥折枝金銀袷絵(千鳥・蝶々・文人松・茅など)

装飾料紙
書手本 6寸7分×1尺6分
 
 装飾料紙 書手本 右下側部分装飾料紙 三十六人集 素性集 書手本 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 右下側部分拡大  書手本 右下側部分



装飾料紙 三十六人集 素性集 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 右下側部分拡大
臨書用紙 右下側部分へ
 右下側部分 具引蝋箋 黄茶 花鳥折枝金銀袷絵 布目入
唐草柄も光を反射しなければグレーに見えます。
金銀袷型打も光を失い鈍い色合いです。(蝶々・茅・蓬など)
装飾料紙
書手本 6寸7分×1尺6分
 
  装飾料紙 書手本 左上側部分装飾料紙 三十六人集 素性集 書手本 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 左上側部分拡大  書手本 左上側部分



装飾料紙 三十六人集 素性集 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 左上側部分拡大
臨書用紙 左上側部分へ
 左上側部分 具引唐紙 黄茶『水辺の鳥』 花鳥折枝金銀袷型打 布目入
左下の灰色に薄っすらと見えているのが、水面と水草を蝋箋で描いてある部分で、大変見辛いですが、微かに確認出来ます。
花鳥折枝金銀袷絵(蝶々・布袋葵・茅など)
装飾料紙
書手本 6寸7分×1尺6分
 
 装飾料紙 書手本 左下側部分装飾料紙 三十六人集 素性集 書手本 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 左下側部分拡大  書手本 左下側部分



装飾料紙 三十六人集 素性集 具引唐紙 『水辺の鳥』 半懐紙 左下側部分拡大
臨書用紙 左下側部分へ
 左下側陰の部分 具引蝋箋 黄茶 花鳥折枝金銀袷絵 布目入
蝋箋も花鳥折枝の柄も光を反射しなければグレーに見えます。
金銀袷絵も光を失い鈍い色合いです。(蝶々・撫子・慈姑・茅・布袋葵・海老根など)
装飾料紙
書手本 6寸7分×1尺6分
 


装飾料紙 具引唐紙 『水辺の鳥』 左上側部分 拡大




右上側部分

具引唐紙
『水辺の鳥』


←ここら辺の左端中央に
水面と水鳥
(薄っすらと灰色に見えている部分)

 
 『水辺の鳥』右上側部分 具引唐紙 黄茶 花鳥折枝金銀袷型打
花鳥折枝の柄を少し見易くした写真になっております。
花鳥折枝金銀袷型打(千鳥・蝶々・女郎花・柳・紅葉・芝桜など)
 素性集臨書用紙


装飾料紙 具引唐紙 『水辺の鳥』 左上側部分 拡大
 








左上陰の部分 
水辺の鳥を多少見易くした様子





伊勢集 具引唐紙 『水辺の鳥』 拡大
←ここら辺の右側に二羽の
水鳥


『水辺の鳥』左上側部分 具引唐紙 黄茶 花鳥折枝金銀袷型打
実物は蝋箋となっておりますが、本品料紙では白雲母摺の『水辺の鳥』となっております。
花鳥折枝金銀袷型打(千鳥・蝶々・女郎花・柳・紅葉・芝桜など)
素性集臨書用紙 

伊勢集 具引唐紙 『水辺の鳥』 拡大




具引唐紙
(雲母摺唐紙)

『水辺の鳥』
水鳥部分拡大
(素性集原本と図柄は異なります)




装飾料紙 具引唐紙 『水辺の鳥』 左上側部分 拡大
左上側部分へ
 
 具引唐紙 黄茶『水辺の鳥』 花鳥折枝金銀袷型打
光を当てた状態での見え方(水鳥部分;水面・水鳥・菅)
銀の花鳥折枝の輝きと白雲母の水鳥の柄の輝きの違いがご確認頂けると思います。
(素性集原本と図柄は多少異なります。雰囲気だけでもお楽しみ下さい。)
勿論地にも柄の上にも墨は乗りますので、安心してご使用頂けます。
素性集臨書用紙 


書手本

三十六人集 素性集 『具引唐紙』 (水辺の鳥) 第七紙 書手本 解説及び使用字母 
 素性集 書 縦6寸7分、横1尺5分5厘 具引唐紙『水辺の鳥』 第七紙 布目入

歌番号は素性集での通し番号                               青色文字は使用字母         解釈(現代語訳)

55

 はかなくて ゆめにも人を みつ
 るよは あしたのとこぞ おきうかり
                ける


   花山にてさけたへけるをり
   に

56
 山もりは いはばいはなむ たかさ
 ごの をのへのさくら をりつくして
                む


   たつたやまこゆるほどに
   しくれふる

57
 あめふらば もみぢのかげに かくれ
 つつ たつたのやまに やどりはてなむ


   りうもむよりたまへりけるに

58
 くもとみえ ひをまとはすは なかれ
 てし たきのかどより きけるみづかも



55

 波加奈久天 由女仁者人遠 美川
 留與波 安之堂能止己所 於幾宇可利
                       計留


    花山爾天左計多部遣留遠利
    爾

56
 山毛利波 以者々以盤那武 堂可左
 己能 遠乃部能左久良 越利川久之天
                        舞


    堂川多也万己由留保止爾
    之久礼不留

57
 安女布良波 毛美知能可計二 加久礼
 川々 堂徒多乃也万仁 也止利者天奈武


    利宇毛无與利多万部利計留二


58
 久毛止美衣 比遠万止波春波 奈可礼
 天志 多幾能可止與利 幾計留美川可无


「礼」は「禮」とすることも。
「與」は「与」とすることも。
「爾」は「尓」とすることも。
「无」は文脈に依り「む」と読んだり「ん」としたり「も」とする。



                     現代語訳                        解釈             解説及び使用字母
 


55
「儚くて夢にも人を見つる夜は 朝の床ぞ起き憂かりける」
たわいも無いことで夢にまで人を見ている夜は、朝寝床から起き上がるのがおっくうになるものよ。


   花山院にて酒が絶えて仕舞った折に、

56
「山守りは言はば言はなむ 高砂の尾上の桜折り尽くしてむ」
山の番人は言ってみれば次の様に云っているようなものだろう、高い山の山頂付近の桜を残さず折り取るとしよう。


   竜田山を越えている時に時雨が降って来たので詠んだ歌、

57
「雨降らば紅葉の陰に隠れつつ 竜田の山に宿り泊てなむ」
雨が降って来たならば紅葉の陰に隠れながら、竜田の山を今夜の宿として此処に泊まることになるだろう。


   竜門より頂いていたので、

58
「雲と見え陽を纏はずは流れてし 滝の門より来ける水かも」
まるで雲の様に見えてお天道様を纏わり付けないで流れていたので、滝の門からやって来た水なのかなあ。






55

(一寸したことで夢にまで愛しい人を見てしまう夜は、もう少し余韻に浸っていたいと朝寝床から起き上がるのに気が進まず面倒になる事よ。)との意を詠んだ歌。

儚くて;たわいも無いことで。ちょっとしたことで。形容詞「儚し」の連用形「儚く」に接続助詞「て」が付いた形で、形容詞の状態である意を表す。

かりける;…たことよ。「けり」に接続する為のカリ活用の活用語尾「かり」に過去の助動詞「けり」の係助詞「ぞ」を受けての連体形「ける」。詠嘆の意を込めて、此れまで有ったことに今気が付いて述べる意を表す。

56
(山の管理人は言ってみれば自分一人が桜を愛でる為に山頂付近の桜を残らず折り取ってしまうとしようと言っているようなものだろう。)との意。

たかさご      をのへ
高砂の;枕詞。「尾上」に掛る。又文脈によっては普通名詞として高い山の山頂付近の意とも取る。

てむ;…てしまおう。…するとしよう。完了の助動詞「つ」の未然形「て」に推量の意の助動詞「む」の付いた語。結果を推量し、その様にしようという強い意思を表す。


程に;…するうちに。…したところが。…している時に。名詞「程」に格助詞「に」が付いて接続助詞となったもの。

57
(雨が降って来たならば大きな紅葉の木の下で雨宿りしながら、今夜は竜田の山を宿としてここで一晩過ごす事に為るのだろうね。)との意。

やど
宿り;旅先で一時的に泊まる所。

泊てなむ;きっと泊まることに為るだろう。動詞「泊つ」に確述完了の助動詞「ぬ」の未然形「な」更に推量の助動詞「む」の付いたもの。活用語の未然形について強い推量の意を表す。

58
(まるで雲なのかと見間違えるかの様に太陽を遮って流れ落ちていたので、滝の頂の竜門からやって来た水飛沫だったのかなあ。)との意を詠んだ歌。
たき かど
滝の門;山と山が対峙して谷底が高所で門口を為すところ。


りうもむ(りゅうもん)

竜門;中国の黄河中流の険所。山西・陜西両省の境に有り、双方の山岳が対峙して門口を為す。竜門は相当な激流であり、その下に多くの鯉が集まっていた。殆どは急流を登れないが、若し登れたら竜に成るとの言い伝えが有った(後漢書)。これが登竜門で、この難関を制したら立身出世間違いなしとの風潮を意味するようになった(=陽の目を見る)。日本ではこれが鯉の滝登りとして伝わり、色々な絵図が描かれている。

流門;流れの門、即ち滝の門。「流門」は「流紋」連想させるので、ここでは流紋があり水辺の柄のある料紙を選択したものであろうか。



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  解説及び使用字母