楮雁皮(厚口) 全懐紙横継2枚サイズ(3尺3寸×1尺2寸)
『慶長遣欧使節団正宗書状』(写真)
慶長遣欧使節団に持たせた書状(写真レプリカ)です。伊達政宗が、交易契約の成功を願って、支倉常長に託した書簡の料紙です。書状としては豪華絢爛で、かなり大きな物でした!。
現物はスペインのセビリヤ市に保管されておりますので、原紙は何なのかを確認できておりません。
淡いベージュの地肌に、薄めの利休白茶で天地のボカシを入れて秋の野を表し、金銀のノゲや、長切箔を配して枯れ草を表現しております。豪華さと力強さと、荒々しさを表し、しかも華やかさまで秘めている料紙であります。
野原の中で、すっくと立った葛の花穂は遠めに見てもよく目立ち、さながら幟旗の様にも見えます。或いは大量旗を意識した物でしょうか?。
伊達政宗は如何してこの料紙を書状に選んだのでしょうか?。其々が藩の大将に成った積りで考えてみるのも面白いですね。
枯野原 兵共が 夢の痕 ・・・。
葛は葛で、吾此処に在りと存在感を見せ付けているのかも知れません。
写真で文字以外の黒く写っているのが銀です。(黄色は金です)
|
葛野原1 天地に大量の金銀切箔を鏤めて豪華さと奥行きを表し、中央辺りに切箔を少なくして比較的書を載せやすくしてあります。その中央辺りに花穂がリズミカルに配置され、更にそれを取り巻く様に淡い緑で葉が描かれております。勿論、金銀切箔ノゲ・銀泥の上にも墨が乗るように加工してあります。 長切箔(慶長遣欧使節団書状より) |
鳥の子料紙 全懐紙2丁 天地特殊ボカシ 金銀中小切箔砂子ノゲ長切箔振り
左下部分 上部写真を基に現代に再現した物 金銀中小切箔を密に落とし、 ノゲ・長切箔で混沌とした様子を表現しています。 下地にはやはり、葛の葉と花を、見え隠れするように配しております。 |
右下部分 上部写真を基に現代に再現した物 散らされた金長切箔 - 風に倒れた茎でも表現しているのでしょうか? |
枯野原1 | 枯野原2 | 野っ原2 | 野っ原3 |
全懐紙2丁別柄タイプ
慶長遣欧使節団書状料紙 | 慶長遣欧使節団書状 |